外国人投資家に便乗はダメ? 実は間違っていた「投資の定石」

データ分析で判明!

島 大輔
「ROEが高い銘柄は株価が上昇しやすい」、「外国人投資家が買った株に便乗すれば儲かる」といった、個人投資家が信じている投資ノウハウは、実は間違っていたーー徹底的なデータ分析を基にさまざまな投資法のパフォーマンスを検証し、プロならではの投資手法をまとめた『人気ストラテジスト直伝 本音の株式投資』(日本経済新聞出版社刊)。著者であるニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストに聞いた。

ーー著書の中で円高の進行や地政学リスクの高まりを指摘していて、実際に4月中旬には予想通りの展開になりました。今後の全体相場の見通しは?

 3月後半から株価は日米ともに崩れ始めた。その震源地は米国だ。昨年11月の大統領選以降、「トランプ新大統領の政策で景気が刺激される」、「金利が上昇する」という期待でマーケットは買い上がった。

いで・しんご●1993年に東京工業大学卒業後、日本生命保険相互会社入社。99年ニッセイ基礎研究所、2007年より現職。

 しかし、その政策に対して懐疑的な見方が台頭し、期待が半分剥がれ落ちて日経平均株価は1万8000円台半ばまで下落した。その後1万9000円台を回復し、期待の残り半分はまだ残っているとはいえ、5月から6月にかけてその期待もなくなり、再び下落することもありえるのではないかと考えている。

 背景にあるのは、これから米国の予算関連法案の審議が本格化する中で、5兆円の減税、1兆円のインフラ投資といった当初掲げていた政策が実現できないということがはっきりしてきそうだということ。

 その場合、1ドル=105円水準まで円高が進み、日経平均株価もいったん1万8000円割れくらいまで下落する可能性もある。ただ、そこまで下落すれば割安感が浮上してくる。

 1ドル=105円でも日経平均採用銘柄の17年度は前期比横ばい程度の利益は確保できるはず。その利益水準を前提にしてPER15倍で計算すると、日経平均の実力値は1万9500円くらいになる。

 秋には米国の来年度予算が固まり、ドイツの総選挙が終われば欧州政治も今後の形が見えてくる。不透明感が取り払われていくにつれて、日経平均は徐々に実力値に近づいていき、年末高になると予想している。このような相場では、個別銘柄の選び方が重要な一年になりそうだ。

ーー3月決算銘柄の本決算発表が本格化しています。個人投資家はどう対処すればいいでしょうか?

 全体で見ると保守的な期初計画が多くなるだろう。前期比横ばいか、場合によっては減益計画となるかもしれない。円高方向の想定レートで保守的な予想を出す企業が多くなると予想されるためだ。

 ただ、保守的な計画をマーケットがどう判断するかは、決算発表が本格化する連休明けの株価水準による。日経平均が1万8000円台前半であれば、弱気計画は織り込み済みでそれほど下落しないはずだ。一方、1万9000円台であれば失望売りを招く可能性がある。

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