②四季報記者に聞いた「夏号」の注目銘柄(バイオ)

"大化け"は出るか?

会社四季報オンライン編集部
左からそーせいGの田村眞一会長、テラの矢﨑雄一郎社長、メドレックスの松村眞良会長、PSSの田島秀二社長、メディネットの木村佳司社長(撮影:尾形文繁、梅谷秀司、今井康一、谷川真紀子)

(※本稿は2017年6月19日に会社四季報オンラインの会員向けに先行配信したものです)

四季報には書ききれない業界事情や注目銘柄について担当記者にざっくばらんに語ってもらうこのコーナー。今回はバイオベンチャー業界。

ーー再生医療新法の施行から2年半、いまや日本は「再生医療のシリコンバレー」だという業界関係者もいるね。

 米国はもちろん、意外かもしれないけど韓国でも再生医療は進んでいるから、個人的には「ちょっと言い過ぎ」と思うけど、再生医療の分野で治験入りするバイオベンチャーが増えていたり、新法による成果が目に見えるようになってきているよね。免疫細胞療法ではテラ(2191)が治験入りしたし、メディネット(2370)も今年中には治験申請をする方針。ジーンテクノサイエンス(4584)は糖尿病性腎症の再生医療ベンチャーを子会社として設立すると発表した。ほかにも、今年、来年中に治験申請予定の会社がいくつか控えている。

 患者自身の細胞を培養した自家培養の表皮と軟骨がすでに実用化されているジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC、7774)は、親会社の富士フイルムホールディングスとの連携もあって、前17年3月期にようやく黒字化を達成した。自家培養軟骨は富士フイルムの3D画像分析装置との販売連携を強めて新規の採用病院を開拓していく方針で、今後も黒字を継続する計画だよ。

ーー再生医療以外でも、バイオベンチャーを取材していて目立った動きはある?

リプロセル(4978)UMNファーマ(4585)、最近ではセルシード(7776)が新株予約権の第三者割当を割り当てた「エボリューション・バイオテック・ファンド」などがきっかけとなって、資金の回転が良くなっている印象がある。日本型のファンドは長期型なので新株の転換に時間をかけるケースが多いけど、外資のファンドは転換もイグジットも早い。資金調達のスピードアップができれば研究開発を進めやすいので、バイオベンチャーにとっては追い風なんじゃない?

ーー1年前に加齢黄斑変性の治験結果をめぐって株価が乱高下したことが印象に残るアキュセラ・インクは、16年12月に東証マザーズに日本株として上場して窪田製薬ホールディングス(4596)と社名変更した。最近はどう?

 大塚製薬との共同開発も提携解消になってしまったけど、窪田良社長はいたって前向き。加齢黄斑変性の治験でいい結果がでなかったとはいえ、安全性は確認できたから、今は米国でスターガルト病の第2相治験にチャレンジしている。「あの治験の失敗があったからこそ、今がある」という思いでいるはず。これまでのオフィスは手狭だったんだけど、「日本で上場した以上はそれなりのオフィスを」ということで7月に本社を移転するみたい。

ーーーほかに面白そうなバイオベンチャーはある?

 あえて取り上げるまでもないくらい注目度が高い企業だけど、そーせいグループ(4565)はやっぱり気になる。前期あったアラガン社との提携による137億円もの契約一時金がなくなるので今期の大幅減益は避けられないけど、複数のパイプラインで開発の進捗によるマイルストーン収入が見込めそう。英国のバイオベンチャー、MiNA社への買収オプション付き出資の行方にも注目している。

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