「巨人連敗でも東京ドームは好反発」に物色ヒント

その銘柄は上昇ストーリーを描けるか

古庄 英一
後楽園ホールではボクシングやプロレスといった格闘技が女性に人気。単に「巨人連敗」だけでは東京ドームの株価はわからない(撮影:尾形文繁)

 全体相場の見通しは後ほど。その前に足元の物色動向を象徴する値動きを紹介したい。来週14日に2018年1月期第1四半期(17年2~4月期)決算を発表する東京ドーム(9681)だ。

 読売ジャイアンツ(巨人)が球団の連敗記録を更新して順位表の下位に転落してしまった。3位以上に出場権があるクライマックス・シリーズ(CS)に進出するには、連勝モードに転じる必要があるが、現有戦力では至難との見方が多い。会社側が今期業績予想を大幅な減収減益とした要因の一つは、前期に業績を支えたCS進出を想定していないからだが、そうだとしても業績の上振れ要因が消えかかっているのは痛手のはずだ。

 ドーム球場を訪れるビジター側の観客が今年は目立って増えているので、ジャイアンツファンの来場者数が予想以上に減ったとしても全体では埋め合わせるかもしれない。“巨人連敗”が悪材料視されなかった理由だろう。

 実際のところ株価は、6月1日に安値986円をつけて底打ちし、9日は1054円をつけた。年初来高値は1月6日につけた1173円で、その後の高値が5月8日の1069円。株価は読売ジャイアンツより一足早く暗いトンネルを抜け出た印象だ。足元でもその勢いは続いており、年初来高値をじわり射程に入れつつあるようだ。

 そもそもジャイアンツの戦績で東京ドームの値動きを予想することがナンセンスなのだろう。ホテルを筆頭に、温浴施設や若者向けのアトラクション施設が集客力を発揮しており、ドーム周辺は”安・近・短”のレジャー施設として、訪日外国人にも好評だ。ドーム球場は大型コンサートがなくても各種イベントは盛況だ。秋葉原に近い地の利でアニメやゲームの”オタク”も足を運ぶ。

 また、後楽園ホールは、ボクシングやプロレスといった格闘技系の興行が、若い女性の間で人気が高まっているそうだ。『会社四季報』の予想は【続 落】と冴えないコメントだが、巨人のCS進出への期待は後退しても、営業減益幅は縮小に向かう可能性はあるので株価見通しは上昇ストーリーを描きたい。

 そもそも東京ドームは、株価が1000円を抜けると時価総額も1000億円の大台を回復する。1株当たり純資産は992円だから、PBR(株価純資産倍率)は1倍を超える。中小型株への物色欲が盛んとされる外国人投資家にとって、ブランド価値の割に株価指標が割安な印象があるため、長期方針で買い持ちたいとの投資判断が成り立ちやすい。短期的に上値を追っていくのであれば、14日の第1四半期業績の出足好調ぶりがカギを握る。

ページトップ