復調インバウンド、牽引はもはや中国人ではない!?

関連銘柄選びで知っておくべき事実

岡村 友哉
(撮影:梅谷秀司)

 「訪日外国人」と聞いて、どんな外国人を思い浮かべるだろうか。

 筆者は銀座を散歩することはないので、移動に使う地下鉄の乗客で判断する程度だが、昼の時間帯はほんとに中国人旅行者が多いような印象を持っていた。株式市場でも、インバウンド関連が大盛り上がりな時期はあったが、この当時「爆買い」「神薬12」などのキーワードが物色ネタになっていた。それらはいずれも、中国人旅行者が日本でどういった消費行動をとるかに焦点が当たって生まれた言葉。訪日外国人=訪日中国人だったのである。

 それが昨年、ラオックス(8202)や百貨店などインバウンド関連株の日本人による「爆売り」で投資家離れは加速。関連企業の業績悪化や株価下落を踏まえ、今なお、インバウンド関連株軽視の空気は蔓延しているように思う。インバウンドは「モノ消費からコト消費へ」といった論調は増えているなとは思うが、思考停止した状態は変わらない。しかし、このテーマは、意外にも別の形で変化しているようなのだ。

 まず、株式市場におけるテーマとして「インバウンド」はすでに力を取り戻している。個別でいえば、大型のインバウンド株で資生堂(4911)が強いこと、中小型ではコメ兵(2780)のリバウンド基調が目立つことなどが挙げられるが、ここは「インバウンド」関連株の全体像で見てみよう。

 サンプルとして、インバウンド関連株がブーム化していた2015年9月に、「インバウンド関連日本株ファンド」と銘打って設定された日本株ファンドを取り上げる。三井住友トラスト・アセットマネジメントが基準価額1万円で2015年9月7日に設定したファンドで、愛称は「ビジット・ジャパン」。先週末6月23日時点の純資産総額は78.3億円に過ぎないが、インバウンド関連株に特化した日本株ファンドではこれでも最大規模である。

 設定後、基準価額は順調に上がり、15年11月24日に1万1308円の最高値を付けた。だがここをピークにバブルは弾け、2016年11月9日に8497円の最安値を付けた。ほぼ丸1年調整した昨年2016年は、配当込みTOPIXが0.32%上昇したのに対し、同ファンドは10.2%下落。全体を大きくアンダーパフォームした。

 一方、今年に入ると、昨年末比で配当込みTOPIXが7.2%上昇しているのに対し、同ファンドは11.7%とアウトパフォームしている(6月23日時点)。好パフォーマンス化が見込めるテーマとして、その存在感は密かに増してきているといえる。

 ただ、最も変化したのは、「訪日外国人」そのものの定義である。インバウンドのテーマ性が再び見直される背景には、日本を訪れる外国人数がいまだ増加中という事実がある。JNTO(日本政府観光局)が発表する訪日外国人数のデータによれば、最新の2017年5月の訪日外客数は前年同月比21.1%増の229万4700人で、5月として過去最高だった。2017年1~5月累計の伸び率も17.3%と好調で、累計で1141万人に達した。

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