増益率が拡大せずとも日経平均に2割の上昇余地

リード役の海外勢の相場観は?

リチャード・ケイ
「グローバル化する日本ブランド」の一角としてダイキン工業にも注目(撮影:ヒラオカスタジオ)
 日経平均2万円台が定着した日本株市場。メインプレーヤーの外国人投資家は日本株をどう見ているのか。長期投資を特徴とする独立系運用会社、仏コムジェスト(本社:パリ)の日本株運用担当者のリチャード・ケイ氏に聞いた。

 ーー日本株に対する基本的な見方は。

 数年前から日本株についてはポジティブな見方をしており、それは今でも変わっていない。バリュエーションで見ても、日経平均の予想PERは14倍程度にとどまっており、依然割安だ。2017年度は10%超の増益を見込んでおり、PERを成長率で割ったPEGレシオも1倍程度と割高ではない。

 中長期で見ても、株価を下支えする要因がある。一つは日本で法人税減税の続く可能性が高いこと。正式に減税が決まっているわけではないが、法人税率の国際的な比較感やこれまでの流れなどを踏まえると、減税が続くことを期待する外国人投資家は多い。減税は単純に一株当たり利益を増やし、株価を押し上げる要因になる。

 二つめは、円安傾向が定着しそうなことだ。米国だけでなく欧州の金融政策も今後、大幅な緩和から徐々に引き締めへ向かう。一方、日本では緩和をやめられる状況にないため、少なくとも円高傾向にはなりにくい。円安基調ならば海外勢は日本株買いへ動く。

 三つめは、国内の機関投資家に日本株投資を増やす余地があることだ。年金など日本の機関投資家は通常、海外の機関投資家に比べて株式での運用比率が低い。株式ウエイトを高める方向で動いており、増やす余地がある。株式の組み入れ比率がただちに海外の投資家並みの水準へ高まることはないが、「国際標準」のレベルへ徐々に増えるだろう。

 これらの要因を考慮すると、仮に企業の税引き前利益が想定を上回る伸びにはならず、アベノミクスがうまくいかなくても、株価には20%ぐらいの上昇余地がありそうだ。

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