米国株、最高値更新の裏で先送り問題が深刻化

12月に再びヤマ場!?

岡田 晃
(写真:Vichie81/PIXTA)

 本連載の前回で、「米債務上限引き上げ問題で9月危機到来!?」と書きましたが、見事に外れてしまいました。9月相場は、米債務上限問題のほか、FRBの資産縮小、ハリケーン被害など米国で懸念材料が目白押しだったことや北朝鮮情勢の緊迫化などで波乱が心配されていました。しかし、米国株は史上最高値更新が続き、日経平均も年初来高値を更新して2年1ヵ月ぶりの高値をつけています。債務上限問題でトランプ政権と議会が電撃的に合意したことが、株価上昇の大きな要因となりました。

 予想が良い方向に外れた点については喜ばしいことではあります。ただ米国の債務問題がこれですべて解決したわけではありません。今後まだ注意すべき3つのポイントがあります。

 第1は、12月に再びヤマ場がやってくるということです。9月の合意内容は、債務上限を12月8日までの3カ月間凍結する(つまり上限引き上げを認める)というものです。したがって、12月8日以降をどうするかについてはそれまでに決めなくてはならないのです。しかしこの段階で、共和・民主両党とトランプ政権が今回と同じよう早期に合意できるかどうかは未知数です。

 実は今回の合意に際して、トランプ政権と与党・共和党指導部の間でしこりを残しており、それが12月に向けた協議に尾を引く可能性があります。今回の合意に至る過程では当初、共和党は来年の中間選挙までの債務上限凍結との案を用意し、民主党は上限の3カ月凍結とハリケーン対策予算の編成を一体化した案を提示していました。

 この民主党案に対し共和党指導部は「ハリケーン対策を債務上限問題とからめて政争の具にするとは、ばかげている」と批判していました。ところがトランプ大統領は両党の議会幹部との会合で民主党案を採用したのです。これで共和党のメンツは丸つぶれ。すでに以前から大統領と共和党指導部との関係は悪化していると伝えられていましたが、これで両者の溝はさらに広がったと言われています。

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