「四季報」秋号読破で見えてきた!これからの注目株と有望セクター

あれから20年、80冊を読破した男の「深イイ話」(115)

渡部 清二
「秋号」は競馬で言えば第一コーナーを回ったばかりの業績を踏まえた号。なぜそれが年4冊のうち最もお薦めなのか

 『会社四季報』2017年4集(秋号)で、私の四季報読破歴は20年、80冊になった。そこで恒例となった、読破したての四季報秋号から何回かにわけて話題をお伝えしていきたい。1回目の今回は「秋号の俯瞰と銘柄選び」である。

 ところで、これまで多くの方に四季報読破をお薦めしてきたが、その中でよく質問されるのが、「全部読破するのに何時間かかるのか」ということと、「年に4回発売される四季報のうち何号を買ったらよいか」というものである。

 前者については「100ページ1時間ペースだと四季報は2000ページあるので20時間。食事や入浴、睡眠もあるので実質2日半」と答えている。が、後者については最近私の考えは変わった。「すべての号を買ってください」と前置きする点は変わらないが、かつては「もし仮に1つ選ぶとすれば6月発売の夏号」と答えてきた。その理由は、夏号は上場会社の70%に当たる3月期決算企業の、前期確定値、今期予想と、新たに出てくる四季報独自の来期予想の3期分の業績数字が大きく入れ替わる変化の大きな四季報だからである。

 しかしながら最近は、9月に発売される秋号こそ、四季報の独自性を発揮する最も重要な四季報だと思うようになった。なぜなら秋号は、第1四半期(4~6月期)が出揃った全社に四季報記者が総力取材し、その結果を反映させた四季報だからである。「第1四半期は通期の4分の1の段階なので、会社主催の決算説明会や深く突っ込むメディアも少なく情報が少ない。そんな中で四半期決算を踏まえた全社の情報が凝縮される四季報秋号は極めて貴重である」という四季報元編集長の言葉をきっかけに、私の考え方も変化してきたのだ。

 通期の4分の1ということは、トラック競技や競馬に例えれば、いわば第1コーナーを通過したところで、秋号はその途中経過を伝えているともいえる。一方で、秋号が発売になる足元の9月は間もなく上半期(4~9月期)が終わるところで、第2コーナーを回って後半戦に入る段階でもあり、株価は「常に半年先を読む」と考えるならば、そろそろ「来期予想」も気にするタイミングにあるのも秋号の重要なポイントかもしれない。

注目セクターは海運、精密、輸送機器

 さて秋号の全体観だが、四季報3ページ「秋号のポイント」にある決算業績集計表を見ると、3249社合計の今期予想は「4.9%増収、9.3%営業増益」の「増収増益」で、同じく来期予想は「2.8%増収、6.1%営業増益」のやはり「増収増益」となっている。今期も来期も同じ「増収増益」ならば、「増益の水準」や、今期から来期にかけての「増益の勢い(モメンタム)」が市場別、業種別でどうなっているのかという違いに注目する必要がある。

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