中国共産党大会を経ての景気失速リスクは?

5年に1度の党大会を世界が注視

新見 未来
Rawpixel / PIXTA(ピクスタ)

 5年に1回開かれる中国共産党大会(第19回党大会)が10月18日に開催される。会期は1週間程度で、注目点は以下の2点だ。1つは政治面で習近平総書記の権力集中が加速するかどうか、もう1つは経済面で今後5年間の政策運営方針がどうなるか、である。

 前者に関して言えば、直後に開催される第19期中央委員会第1回全体会議で新指導部が決まる予定だ。現在の指導部(7人の政治局常務委員)の顔ぶれがどうなるかによって、権力集中度が計られよう。

 この常務委員が習近平総書記に近い人物で占められれば、政治・経済両面での改革などが進められやすくなるというメリットがあるが、その一方で、権力集中が行き過ぎれば政策が有らぬ方向に流れてしまうリスクもあるだろう。

投資家の最大問題は国有企業の過剰設備・債務

 投資家サイドからみた中国の最大の構造問題は国有企業などの過剰設備・債務問題だ。その大問題解決を先送りにして、政府は、①地方政府が返済期限を迎えた銀行借入を長期・低金利の地方債に置き換えて新たに公共投資を積み増したり、②官民連携(PPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ)による民間資本導入でインフラ投資を増やしたりしてきた。

 国有企業は事実上、政府の指導下にあり、本来、政府が債務を負って実施すべき投資をこれらの企業が肩代わりしてきた。地方政府やPPPによる投資も実質的にはこれと同じで、結局、公共(インフラ)投資で景気を下支えすることにはなったが、収益を生まない過剰な設備・債務をさらに増やしてしまった可能性がある。

 中国の国有企業を含めた広義の政府関連債務の対GDP比は約1.8倍で、日本の政府債務(2.1倍)には及ばないが、放置すればバブルが崩壊するのではないかとも言われる。

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