ユナイテッドアローズ、既存店好調を維持するブランド戦略

独自のブランド戦略と販路拡大でさらなる業績向上を狙う

鈴木 良英
女性向けの専門店「アーキペラゴ」など、次なる客層開拓へ向けた業態開発も進行中だ

セレクトショップを全国に展開するユナイテッドアローズの快進撃が続いている。リーマンショックによる消費不振で、一時的な落ち込みはあったものの、2009年3月期からは増収増益基調へ転換。直近の前11年3月期では50%近い営業増益を達成し、今期は06年3月期に達成した最高益の更新をうかがう。

業績好調の背景は既存店売上高の推移にある。08年12月から前年実績を上回り始めた既存店は、1年半経つ現在も好調を維持している。同じ衣料専門店のユニクロやしまむらが、前年に売り上げが好調だった月は、その反動で厳しい数字に陥りがちな中、安定した増収を続けている点は大きい。

商品と販売の連携強化、主力業態は出店を抑制

既存店が好調を続ける要因は何か。「商品企画・調達と販売側が連携することで、消費者の求める商品がそろえられるようになった」(IR担当)と同社は端的に説明する。

08年9月に生まれたスーツブランド「ホワイトレーベル」もその一つ。安くてスタイリッシュでカジュアルにも合わせられるスーツがほしいというニーズを店頭接客担当者から吸い上げ、それまで扱っていた6万円台のスーツから、5万円を下回る価格帯を設定。さらに着丈の短いトレンドを取り入れ、仕事でもプライベートでも着用できる商品を開発した。複数のシーンで着用可能なお得感も支持され、同商品は大ヒットとなった。

その後も巧みに顧客のニーズをとらえた商品を開発しヒットを連発。売り上げ好調の背景には、商品と販売の連携が機能し始めたことが大きい。

さらに、同社ならではのブランドイメージ維持戦略も、人気を後押しする重要な要素だ。

通常アパレル業界ではボリュームディスカウントで採算性を高めるため、成功業態を拡大していく傾向にある。オンワードや三陽商会が百貨店向けなど主販路を絞っているほか、ユニクロやしまむらもほぼ単一ブランドでの戦略を敷いている。

だが同社はその“常識”から逸脱する。主力業態「ユナイテッドアローズ」は、現状26店で「これ以上の出店はない」(加藤英毅常務執行役員)と言い切る。多店舗化することで、ブランドイメージが低下することを避け、ユナイテッドアローズブランドへの消費者の信頼を裏切らない。

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Uアローズ (7606)

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