「出来高」で値上がり値下がりを予測する

出来高を伴わない上昇はもろくてはかない

本欄ではこれまで、過去の株価の動きから今後の値動きを予想する「株価分析」を中心に解説してきました。しかし、テクニカル分析は株価分析だけではありません。日々のニュースでは「きょうの日経平均株価の終値は○円×銭でした」という株価情報のほかに「東証1部の出来高は○億株、売買代金は×兆円でした」といった市場情報が流れています。こうした数字を分析することを「市場分析」といい、その代表例のひとつが出来高分析です。

出来高とは、その日に(あるいはその週に)取引が成立した数量。出来高が増えるということは売買が活発になったことの表れで、逆に出来高減少は人気離散を意味します。言い換えれば投資家心理の表れといっていいでしょう。

しかし、市場はそう教科書的に動くものではありません。出来高が増加しているのに株価が下落したり、株価が上昇に転じても出来高は減少し続ける場合もあります。

では、どんな場合にどう対処したらいいのか。株価と出来高から見た基本的な投資スタンスを右の表にまとめたので、まずはこれをしっかりと押さえてください。そのうえで、下の三菱ガス化学の週足チャートを見ながら、より実践的な活用法を解説していきましょう。

最初の注目ポイントは2008年11月のセリングクライマックスです。これはリーマンショックが引き金になったもので、投げ売りが一巡すると、その後は出来高が細っていくにもかかわらず株価は上昇を開始します。

次の注目ポイントは10年4月高値時。出来高分析に「上昇過程で株価が高値を更新しても、出来高が前回高値の水準を超えられないと株価は反落する」という法則がありますが、この局面がまさにそれ。ここでは前回高値(09年8月高値597円)を超えてはいませんが、出来高は前回高値の4割しかなく、上値抵抗を確認する形で株価は直後に反落してしまいます。

そして次の注目ポイントこそ「出来高は株価に先行する」という出来高分析の最も有名な法則です。それが10年10月以降の局面にやってきます。出来高が膨らむにつれて株価上昇に勢いが増し、11年2月第1週に出来高が2000万株を突破するや600円の上値抵抗線を突破していったのがわかります。

前回解説した信用取引分析も市場分析の一つなので、出来高と併せてぜひ活用してみてください。

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