大物から先に去っていくのが新興株市場

「絶対的エース」の楽天も東証1部へ衣替え

このコラムの場を与えてもらい、やる気十分の矢先・・・。新興株市場における最大の大物が姿を消してしまった。その会社はジャスダック(以下JQ)の楽天(4755)である。12月3日から東証1部銘柄に衣替えする。JQ指数に占める楽天の構成比率は約17%だった。絶対的エースが抜けたJQ。楽天が抜けたJQは、マー君が抜ける楽天のようである。

楽天は2000年4月に上場した。現在は時価総額2兆円超の押しも押されもせぬ巨大企業だ。売上高も今13年12月期に過去最高の5000億円突破が濃厚。そんな楽天だが、上場直前の1999年12月期の売上高は6億円にすぎなかった。今では信じられない話だが、この13年で強烈な成長を果たしたことがわかるだろう。

ちなみに、楽天のIPO時の公開価格は1株3300万円(公開株数1500株)。初値は1990万円とトンデモナイ公募割れ・・・これも今では信じられない光景だ。

 新興株市場は、大きく育った企業、勢いのある企業から去っていく特異な市場だ。特に多いのが東証マザーズである。06年末のマザーズの上場社数は185社だったが、今年11月末時点も185社とまったくの同数。07年にはDeNAなど8社、08年にソネットなど6社、09年に2社、10年にグリーなど4社、11年に7社、12年に11社、今年も12社が東証1部へ昇格している。

50社も「OUT」しながら社数が変わらないのは、7年間に50社ほどがIPOで「IN」したからである。去るものが多ければ、来るものも多いのが新興株市場。今年も年末にかけてIPOが数多く予定されている。史上最強クラスの“賭博場”と化すIPO市場は同コラムで随時追いかけたい。

 最後に、新興株市場から指数影響力の大きい大物が毎年のように去っていくとあっては、同市場のバロメーターとして注目される東証マザーズ指数に連続性がないことにはすでにお気づきのことだろう。構成銘柄が1年単位でガラリと変わるからだ。「マザーズ指数のチャート分析は時間のムダ」と覚えておいていただきたい。

(撮影:尾形文繁)

株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供。

 

記事中の会社を詳しく見る

楽天 (4755)
  • コラムを順に読む

ページトップ