ライフネット生命・岩瀬大輔社長が語る「スマホ対応と医療保険」強化策とは

「成長の壁」と苦闘するネット生保、次の一手

岡田 広行

ライフネット生命の岩瀬大輔社長(撮影:梅谷 秀司)

インターネット生命保険各社が、「成長の壁」と苦闘している。“最大手”であるライフネット生命(7157)でも、新契約件数で前年同月を下回る月が続く。主戦場の医療保険では、商品開発競争が激化。価格優位性が薄れているとも指摘されている。ユーザーのパソコン離れと画面が小さなスマートフォンへの移行が進む中で、契約手続きをいかに簡便にできるかも課題になっている。岩瀬大輔社長に成長力を取り戻すための戦略について聞いた。

ーーネット生保は楽天やチューリッヒ生命が参入するなど、大激戦の状況です。

 参入が増えているのはビジネスチャンスがあると考えられているからだ。初めて生命保険に加入する若年層へのアプローチ手段として、インターネットは非常に有効だという認識を各社が持っている。その一方で新契約の伸びが鈍化している。十分に利便性を提供できているとは言いがたい。多くの方に当社のホームページを訪れていただいているが、申し込みにまで至らずに途中で手が止まってしまっている。お客様に事情をお聞きすると、もう少し情報がほしい、疑問に答えてほしいという声がある。申し込みに至るまでのフォローをもっと強化する必要がある。

ーーウェブサイトに来た人で契約に至る人はどのくらいの割合ですか。

 現在は1~2%程度にとどまっている。ネット生保に興味があり、保険料も節約したいというニーズはあるが、最後までご自身で操作するのが難しいためだ。ただし、契約に至る方が1~2%にとどまっているというのは、見方を変えれば潜在需要が大きいという点でチャンスでもある。利便性を向上させ、お客さまの理解をもっと手助けしないといけない。

ーースマホ対応も重要ですね。

 10月28日にスマホサイトのリニューアルをした。その後、当社を取り上げたテレビ番組の再放送もあり、スマホ経由での申し込み件数が大きく増えている。リニューアルに際しては、持病のある方や過去に病気をした方でもスマホ経由で申し込めるようにした。また、操作途中までの情報を保存して、パソコンで続きができるようにするなど、スマホとパソコンの連動性を強化した。現在はウェブ中心だが、申し込み経路の多様化も検討課題だ。

ーー医療保険では、対面チャネルを中心とする保険会社が保険料の安さを売りにする商品を次々に投入しています。同分野への対応も必要ですね。

 死亡保障商品は依然として競争力がある一方、医療保険の見直しが必要だと考えている。まったく新しい商品を出すことよりも、まずは既存商品のリニューアルが先だ。

ーー韓国で合弁会社を設立しました。

 プロジェクトは3年前から検討してきた。上場時にも調達資金の一部を海外での事業展開に用いると申し上げてきた。金融機関の育成は、10年、20年かけて行うものだ。IT先進国である韓国で築いたノウハウを日本に持ち帰ることもできると考えている。

ーー成長力回復の手応えは。

 新契約が伸びているかどうかにマーケットが注目しているのは確かだ。私たちがこれまで短期的な成長性を強調してきたのも事実だ。ただしより重要なのは、長期的な視野でネット生保のビジネスモデルを確立することだ。すでに一定の認知度とブランドは確立している。スイス・リー社という安定株主を迎え入れ、海外展開も約束どおり遂行している。あとは環境変化にきちんと合わせていけるかどうかだ。

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