「サイバーダイン関連」の主力銘柄、大和ハウスのロボット戦略

ロボットスーツなどの医療・介護現場導入に傾注

水落 隆博

 20日の東京株式市場で大和ハウス工業の株価が一時急騰。取引時間中に前日比55円高の1925円まで値上がりした。

 買い手掛かりになったのは、筑波大学発のロボットベンチャー、サイバーダイン(CYBERDYNE、本社:茨城県つくば市)が19日に東証マザーズ市場への上場を承認されたこと。大和ハウスはサイバー社と資本業務提携を結び、2位の株主となっているため、「3月26日のサイバー社上場後の株価上昇で恩恵を受けるのではないか」との思惑から買い物が膨らんだ格好だ。

自立支援ロボットスーツの「HAL」

 大和ハウスは、自立支援ロボットスーツ「HAL」を研究・開発するサイバーダインと2007年に業務提携。翌08年には第三者割り当て増資を引き受けて大株主となるとともに、取引代理店として介護・福祉施設での事業経験を生かし、医療や介護の現場への「HAL」導入を進めてきた。

 「HAL」は脚に障害をもつ人や高齢者などの脚力・歩行機能をサポートするロボットだ。2つの制御システムを通じて装着する人の「意思」を感知し、立ち座りや歩行動作をアシストする。その1つが「随意的制御システム」。人が動こうとすると、意思は微弱な電気信号となり、神経を通じて脳から筋肉へと伝達される。その微弱信号をセンサーで感知し、「HAL」が意思どおりに動く仕組みだ。もう一つは「自立的制御システム」。たとえば「人が歩く動作」など、あらかじめインプットされた動作プログラムに基づいてアシストを行うというものである。

 大和ハウスが展開するロボット事業はHALだけにとどまらない。タテゴトアザラシの赤ちゃんで、多数のセンサーや人工知能の働きによって人間の呼びかけに反応する「パロ」は、ギネスブックで認定された世界でもっともセラピー効果のあるロボットとして知られており、HALと同様、全国の医療・介護施設への導入を進めている。

 「マインレット爽」は全自動の「排泄処理ロボット」で、寝たきりでも爽やかな排泄ができるため、介護者の労力と時間の大幅な軽減につながるという。医療・介護関連を中心に現在、同社が展開するロボットは6種類に上る。

 ロボット事業に力を入れるのは、超高齢化社会の進行に伴い、高齢者を介助する補助ツールとしてロボットへの期待が高まっていることが背景にある。同時に、住まいと暮らしの環境がより安心、安全、快適な環境、高いQOL(Quality of Life)を求める中で、ロボットやその関連技術がそうしたニーズの実現に役立つとの認識がある。

 同事業では13年から商品別組織を編成して、ターゲットを細分化した営業活動を推進している。今後は「生活支援ロボットの社会的なニーズを見極めながら、他社との連携やグループ内のシナジー効果を図る施策にも注力していく」(広報企画室)考えだ。

ギネスブックで認定された世界で最もセラピー効果のあるロボット「パロ」

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