「足場」もろい日本株の戻り、円安追随せず

東証1部売買代金は1兆7869億円と今年最低

2月26日、日本株は戻り相場の中にあるが、その「足場」はもろい。依然として短期筋の買いが中心で長期投資家は様子見、商いは薄いままだ。写真は都内の株価ボード。2010年6月撮影(2014年 ロイター/Michael Caronna)

[東京 26日 ロイター] -日本株は戻り相場の中にあるが、その「足場」はもろい。依然として短期筋の買いが中心で長期投資家は様子見、商いは薄いままだ。

米経済には不透明感が強く、中国株も不安定でドル/円は株高に付いて来ない。割高感が強いわけではないが、期待先行の短期筋が手仕舞えば、崩れやすいと警戒されている。

<売買代金が今年最低>

日経平均<.N225>は、終値ベースで昨年末12月30日の高値1万6291円から、2月4日の1万4008円まで14%下落した後、前日の1万5051円(終値)まで7.4%戻した。いわゆる半値戻しに少し足りない水準であり、引き続き戻りを試す展開だ。

26日の市場でも、日経平均は反落したが、マイナス圏から一時1万5000円台のプラス圏に浮上するなど底堅さをみせた。前日に213円上昇し、海外市場で米株が反落したこともあって、戻り売りや利益確定売りに押されたが、下値を切り上げる展開が続いている。

市場では「裁定買い残が1年前の水準まで減り、日本株は下げにくくなってきた。外国人投資家向けの日本セミナーも来週にかけて連日開かれる。日経平均が1万5000円を維持できれば、一段の上値が期待できる」(立花証券・顧問の平野憲一氏)と強気な声も増えている。

ただ、売買ボリュームは依然として低調。東証1部売買代金は1兆7869億円と今年最低となり、前日に続き2兆円割れとなった。市場では「一部の短期筋が上方向を志向しているが、長期資金は依然様子見。短期筋は今日買って明日売るという足の速い資金なので、戻り相場に付いて行くにもリスクがある」(大手証券トレーダー)と警戒する声も多い。

<米経済減速懸念がドル/円を圧迫>

昨年のような盛り上がりが日本株に欠けているのは、円安が追随してこないことも一因だ。ドル/円は2月3日に101円を割った後に切り返し、一時102円83円まで上昇したが、上値志向を強める日本株を横目に、102円を中心としたレンジ相場色を強めている。

ドル/円の上値が重いのは、米経済が今年、成長率を高めるという年初のシナリオが揺らいでいるからだ。歳出の自動削減など財政面からの圧迫要因が軽減され、成長率が高まっていくとの見方はエコノミストの間で多いが、寒波の影響がなくなった後に、期待通りに消費などが回復するかがはまだ読めない。

「米経済が基調的に減速しそうだというデータはまだない。住宅などは確かに弱くなっているが、寒波による一時的な影響の可能性もある。ただ、米国の天候が戻った時に、消費の反動が期待通り出るかは現時点では読めず、マーケットの不透明感を濃くしている」と、マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏は話す。

米経済減速懸念が強まる一方、テーパリング(米量的緩和縮小)のペースダウン観測も浮上。ドル・インデックス<.DXY>は80ポイント付近で低迷している。日銀の追加緩和期待だけでドル/円を持ち上げるのは難しい状況だ。

昨年12月16日に発表された12月日銀短観では、2013年度の大企業・製造業の想定為替レートは96.78円。102円台であれば、市場の業績上積み期待は維持されるものの、「日本株が上値を追い続けるのは難しい」(国内証券の株式トレーダー)という。

みずほ証券・シニアマーケットアナリストの青山昌氏は「市場では寒波の影響を織り込み始めている。弱い経済指標で大きく下振れすることはないだろうが、指標が改善するまでは上も攻めにくい」と指摘。3月末までのドル/円は100.00─103.50円とみている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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