"3月26日"を待つ、ひたすら待つ……

"サイバーダイン祭り"を目前に控え、人気の新興株の換金売りが相次ぐ

先週末、3月20日木曜日。小幅安で始まった東証マザーズ指数が、突然売られ始めた。終わってみると結局、前日比36ポイント(4.6%)安。個別ではミクシィが580円安、コロプラが128円安、サイバーエージェントも270円安と壊滅状態だった。

マザーズだけでなく、東証2部指数も2月4日以来の大幅安。ジャスダックでは、人気化していた日本マイクロニクスが680円安、菊池製作所も740円安と急落。この週は、新規上場を果たした日立マクセル、ジャパンディスプレイの初値がそろって公開価格を割れる悲劇もあった。市場はどこまで個人投資家を苦しめるのか・・・。

一部の市場参加者によれば、「3月中旬から、複数の中小型株で組まれたバスケットの売りが来ている」との指摘があった。中小型株ファンドを運用するような機関投資家が期末前に外しているのかもしれない。一方で、別の市場関係者はこう断言していた。「今日の売りは換金売りでしょう」と。

何のための換金か?週末だからか?

"換金目線"でいえば、この日に株を売却した場合、現金の受け渡しは当日を含む4営業日目となる。20日(木)、24日(月)、25日(火)、26日(水)と指を折って数えてたどり着くのは「3月26日」。そうである、この日は"待ちに待った"サイバーダイン(CYBERDYNE)の上場日なのだ。

全部が全部でないのは間違いないが、ロットの大きい専業投資家の一部が、同日に備えて現金化した可能性は確かに高いと推測される。なぜなら、このサイバーダインの前人気の高さは尋常ではないからだ。

市場筋によれば、上場前に機関投資家を回るスモールミーティングはあまりに多すぎて同社の社長が全部回り切れなかったほどともされる。市場関係者を集めて開かれるラージミーティング。こちらは「ざっと200人は集まっていた」と出席者は話していた。通常は30人程度である。

機関投資家ウケもいいようだ。仮条件価格も2700円~3700円という異例の1000円幅となった。仮条件の上限が想定価格から4割近くもアップする現象は、機関投資家も「いくらが妥当なのか判別できなかったから」ではないだろうか。それもそのはず。厳密な意味での類似会社が存在しないうえ赤字だし、赤字が解消するイメージも現時点では描けない。バイオベンチャーばりに夢を買える案件であり、しかも、同社の近未来的なイメージは、"祭り"にふさわしいのかもしれない。

"祭り"に参戦しようと、アグレッシブな投資家は虎視眈々と戦闘準備を進めているのだろう。上場初日に初値が付かないのはほぼ確実、そうなると、2日目以降は「即日現金徴収」の規制措置が入る。初値から参戦するには、現金またはMRF(マネー・リザーブ・ファンド)に軍資金を入れておかなければならない。

26日は3月配当・優待銘柄の権利付き最終売買日でもあるが、「そんなの関係ねぇ!」な人々であふれかえりそうだ。コード番号「7779」、この4ケタ数字を暗唱できるようになる投資家もあふれかえることだろう。

(おしまい)

(毎週火曜日に掲載)

株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。

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