三井不動産、「3000日計画」の勝算

大型商業施設の開業で再生なるか日本橋

梅咲 恵司
“和”テイストののれんなどで、落ち着いた雰囲気や街との一体感を演出する「コレド室町3」

東京・日本橋が活気を取り戻している。三越、高島屋といった百貨店を抱えながらも、高齢者層や背広姿のビジネスマンばかり目立った街が、最近は子供連れの家族や若いカップルなど幅広い層の人で連日にぎわっている。

呼び水になったのは、三井不動産が3月20日に開業した商業施設「コレド室町2」と「コレド室町3」だ。オフィスや高級賃貸住宅、シネマコンプレックスを併設する複合型施設で、合計68店ものテナントが入居する。テナントには若者に人気のブランドショップはほぼなく、一見すると地味。だが、かつおだしをアピールした和食店や郷土料理と地ビールを楽しめるビールバーなど、「全国の“うまいもん”を徹底して集めた」(三井不動産の山村知秀アーバン事業部長)ことで独自色を出す。全国の有名飲食店、食料品店に「何度も足を運び、“一本釣り”で誘致した」(同)成果だという。

三井不動産は既存の「コレド室町」を合わせた3施設で年商110億円、来場者1700万人を見込むが、開業後1カ月で来場者260万人と、想定以上の滑り出しとなった。

「大丸有」と「日八京」 開発競争が一層激化

「開発が遅れてやってきた街」。不動産関係者は日本橋をこう表現する。三菱地所が開発を進める大手町から丸の内、有楽町にかけての「大丸有」エリアはいち早く洗練された街並みを築いた。大企業の持つ大型開発区域が多く、「丸ビル」や「新丸ビル」など巨大商業施設を核に数々の海外ブランドが軒を連ねる。

一方、三井不動産が中心となって進める日本橋から八重洲、京橋にかけての「日八京」エリアは、老舗店舗や中小事業者が多い。地権が細分化しているため、大規模開発を実施するには複数の地権者との交渉が必要だ。たとえば「コレド室町2」の地区にも複数のビルが立ち、それぞれに地権者がいたが、古河機械金属などとの共同事業といった形でまとめることで竣工にこぎ着けた。

開発に時間と労力がかかるため、2004年に「コレド日本橋」、05年に「日本橋三井タワー」が開業したものの、それらは「点」の開発でしかなく、全体の一体感はなかった。

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