タイの政治混乱が自動車産業に影響、生産・雇用の削減続く

インラック首相の政府高官人事をめぐる権力乱用を認め首相が失職

5月9日、タイの自動車産業では今年3万人以上の下請け労働者が解雇され、生産が縮小。タイ東部ラヨーン県にある自動車工場で2012年5月撮影(2014年 ロイター/Chaiwat Subprasom)

[バンコク 9日 ロイター] - タイの自動車産業では今年3万人以上の下請け労働者が解雇され、生産が縮小されている。政治的混乱が背景で、一部では生産を他国に移す可能性が指摘されている。

雇用削減は、長引く反政府派と政権支持派の対立がタイの自動車産業に深刻な影響を与えている現状を示している。

7日には、憲法裁判所がインラック首相の政府高官人事をめぐる権力乱用を認め、首相が失職する事態となった。

こうした状況を受け、国内自動車業界では、トヨタ自動車<7203.T>日産自動車<7201.T>、フォード・モーターなどの主要各社がインドネシアなどよりコストの低い地域に生産を移す可能性が指摘されている。インドネシアはタイに次ぐアジア第2の自動車市場。

ホンダは4月、タイの新たな生産工場の稼働開始を6カ月から1年遅らせることを検討していると明らかにした。

トヨタは今年のタイで40万台の販売を計画しているが、1─3カ月の販売台数は33%減少の8万4000台にとどまっている。8日には、タイの販売見通しを引き下げる可能性に言及した。

タイ工業連盟(FTI)によると、タイの自動車部品メーカーの生産は年初来で30─35%減少。また3月の自動車販売は前年比で46.7%減少、生産は29%の減少となった。各社は輸出に力を入れており、3月の輸出台数は前年比9%増加し6カ月ぶり高水準となった。

ただ各社とも上半期が最悪期ととらえており、下半期には新モデルの投入を計画している。7月に選挙が実施され新内閣が誕生すれば、政治の混乱も収拾するとの見方だ。

FITの幹部は「トンネルの先に明りが見えている。選挙が7月に実施されれば、第3・四半期には新政権が誕生する。早く政治状況が改善すれば業界の回復も早まる」と期待を示した。

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