ダイコク電機社長、「パチンコ、パチスロは構造不況ではない」

業績は苦戦続くが栢森秀行社長は開発費用ピーク化が理由と説明

堀越 憲二
昨年にグループのDAXELが発売したパチスロ遊技機「まじかるすいーとプリズム・ナナ」

 パチンコホール向けコンピュータシステムで、シェア4割と独走するダイコク電機は5月29日、都内で決算説明会を実施した。前2014年3月期は売上高が前々期比3.2%減の569億円、営業利益が同24%減の53.3億円と業績が反落。今15年3月期も売上高が前期比3.4%減の550億円、営業利益が同44%減の30億円と続落が見込まれている。

 同社のよって立つ、パチンコ、パチスロ市場は今後どうなるのか。決算説明会の場で、ダイコク電機の栢森秀行社長は、次のように語った。

 まず、栢森社長は、「パチンコ、パチスロ産業は、市場が長期に縮小傾向にあるが、構造不況に陥っているわけではない。長期縮小は、日本経済においてバブル崩壊以後、長期にわたりデフレが続いてきたためで、この影響がいちばん大きい」として、大方の見方である構造不況説を否定した。

 「市場の長期縮小は、デフレの長期化でサラリーマンの月平均お小遣い額が減ってきたことがいちばん響いている。かつてバブル崩壊前後の1991年にはサラリーマンの月平均お小遣い額は8万円弱だったが、それをピークとして、以後右肩下がりとなり、12年時点では3万円割れまで減ってきている」

 「消費者金融の規制強化時も、これでパチンコ、パチスロ市場は縮小するとして、現在と同じように構造不況的な見方が多かったが、結果的にはそう影響はなかった。ユーザーのヘビー化、つまりヘビーユーザーが遊技人口を下支えているとの見方も多かったが、当社がホールからの情報・データを分析すると、これも的外れとの結果が出ている」

 「パチンコ、パチスロの市場規模は07年の4.37兆円から、13年には3.63兆円へとほぼ15%縮小してきている。これは総務省の生活基本調査によるパチンコ参加人口の減少幅と同じで、お小遣いの落ち込み幅よりずっと小さい。ということは、それだけパチンコファンの底堅さを示しているということだろう。任天堂などのゲームソフトのジャンルはスマホに移行しているが、パチンコ、パチスロの遊技ジャンルの場合は、ファンがゲームソフトのジャンルに大きく流れることにはならないと見ている」

 「現在はデフレの影響がまだ残っており、サラリーマンのお小遣いもそう増えてきてはいないようだ。今後、東京オリンピックに向けてデフレ脱却が鮮明になり、サラリーマンのお小遣いが5万円ぐらいに増えてくれば、パチンコ市場にも恩恵があるはずで、市場も底入れから好転に向かうと見ている」

 さらに、栢森社長は、足元の業績が冴えない理由について、こう説明した。「当社では現在、ホールコンピュータシステムの次世代開発に取り組んでおり、前14年3月期、今15年3月期、来16年3月期の3年間で研究開発費を50億円投入する計画だ。そのため、前期、今期と収益は急続落する見込みだが、研究開発費は今期がピークになる。次世代開発においては、今までのホールシステムにはなかった人間の行動分析までを意識したシステムを考えており、これが開発されれば、ホール業界にも大いに役立つとともに、他の分野にも応用できるという画期的なものになるはずだ」。

(百万円) 売上高 営業利益 経常益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連本2014.03 56,954 5,338 5,474 3,278 221.8 80特
連本2015.03予 55,000 3,000 3,000 2,000 135.3 40 - 60特
連本2016.03予 56,000 3,500 3,500 2,300 155.6 40 - 60特
連中2013.09 25,882 2,487 2,559 1,543 104.4 20特
連中2014.09予 27,000 1,500 1,500 1,000 67.6 10 - 20特

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ダイコク電 (6430)

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