中国が7%超の成長率確保に自信、支援策奏功で当面は状況見極め

資金の流れをコントロール

6月5日、政府の政策運営に詳しい関係筋によると、中国当局は、四半期成長率が7%に向かって鈍化するのを防ぐため、これまで対策を強化しており、現時点で十分な措置を講じたと判断している。写真は中国の国旗。上海で2010年3月撮影(2014年 ロイター/Aly Song)

[北京 5日 ロイター] - 中国政府は四半期の経済成長率が7%水準に落ち込むのを防ぐために対策を強化してきたが、景気の急減速に歯止めがかかった兆しが見え始めたことから、これまでの対策が奏功していると判断している。政府の政策運営に詳しい関係筋が明らかにした。

政府や中国人民銀行(中央銀行)は、少なくとも来月の第2・四半期国内総生産(GDP)統計の発表を待って追加支援が必要かどうか見極める構えだ。

中国当局は、過去1週間に実施した財政支出の加速や2度目となる一部の銀行を対象とした預金準備率の引き下げを通じ、大型の景気刺激策を講じることなく経済への支援範囲を広げた。

一連の措置の狙いは、一律の預金準備率引き下げや利下げを行うことなく、成長率を7.2%近辺に維持することにあるとみられている。李克強首相は、雇用の伸びを支えるには7.2%の成長率を確保する必要があるとの考えを示している。

有力シンクタンクの中国国際経済交流センター(CCIEE)のシニアエコノミスト、Wang Jun氏は「四半期ベースで7.2─7.3%のGDP成長率が維持できる限り、そのような措置(一律の預金準備率引き下げや利下げ)を講じる必要はない。この水準が政策変更への転換点になると考えられる」と指摘。「第2・四半期の成長率はそれほど悪くはないようだ」と述べた。

政府は主要政策を決定する前に有力シンクタンクに助言を求めることが多い。

Wang氏は「雇用の状況は比較的安定しているため、政府は景気への自信を強め、広範な政策緩和を実施するのは時期尚早だと確信している」と指摘した。

<資金の流れをコントロール>

中国の指導部は大規模な刺激策を導入する可能性を否定している。中国は2008─09年の世界的な金融危機を受けて4兆元(6400億ドル)の刺激策を実施し、地方政府の債務が急増する結果となった。

大規模刺激策導入の代わりに、地方政府に対し、予算執行を迅速化し、配分を月内に完了するよう指示が下った。アナリストはこの措置が今四半期の成長を下支えするとみているが、全体の歳出規模が変わる訳ではない。

一律に預金準備率を引き下げれば、銀行は融資に資金を回すことができ、経済活動が活性化するが、当局は資金の流れをコントロールできなくなってしまう。

中央財経大学の有力エコノミスト、Guo Tianyong氏は「一律に金融緩和を実施し、欲しがる者すべてが資金を得られるような状況を作るべきではない」と述べ、資金は平等に分配されず、不動産セクターなど投資家にとって魅力のあるセクターに偏りがちだと指摘した。

中国人民銀行(中央銀行)は4月、農村部の銀行の預金準備率を0.5%─2%引き下げた。中国国務院(内閣に相当)は先週、実体経済に資金が向かうような融資を実施する銀行の預金準備率を引き下げると発表。人民銀は、どの程度引き下げるのかをまだ明らかにしていない。

人民銀の金融市場局のJi Zhihong局長は国営新華社系の「経済参考報」に対し、「的を絞った預金準備率引き下げで、穏健な金融政策の方向性が変わる訳ではない」と述べた。

ReutersCopyright
copyright (C) 2017 Thomson Reuters 無断転載を禁じます

ページトップ