今こそ出番だ!「移動平均線乖離率」

25日線から4.5~5%離れたらご用心

 5月下旬からの反発で、日経平均株価は5日~200日のすべての移動平均線を一気に上回った。5日には終値ベースの直近の戻り高値である4月3日の1万5071円も上回った。5月19日安値1万4006円からの上昇幅は13日間で実に1072円だ。

 上昇ピッチの速さから、マーケットでは過熱感に対する警戒が広がり始めている。海外市場が最高値を更新しても、東京市場では買いが続かず売り物に押されてしまうのはそのためだ。

 では、その過熱感は何で測ればよいのだろうか。過熱感を測る代表的な指標には「騰落レシオ」「移動平均線乖離率」「サイコロジカルライン」などがある。このうち今回の値動きに当てはまるのは「移動平均線乖離率」だろう。

 今回の株価上昇の特徴は、スピードが速く値幅を伴っている点だ。移動平均線からの乖離率が広がるということは、含み益を抱えた投資家が増えていることを意味する。投資家としては当然、利益確定売りをしたり、買いを手控える。株価はそこで伸び悩む。そうした「伸び悩みそうな水準」を教えてくれるのが、移動平均線乖離率なのだ。

 今回の反発局面で株価が伸び悩んでいるところに赤丸をつけてみた。25日移動平均線との乖離率を見ると、終値ベースで4.5%、取引時間中でも5%前後になるといったん上昇が止まる傾向があるのがわかる。株価上昇のスピードが速すぎて25日移動平均線が株価についていけず、警戒感が台頭し株価上昇にストップがかかるのだ。

 株価が勢いよく上昇しているのを見ると、つい追いかけたくなるが、その前にまずは乖離率のチェックを。高値づかみで失敗した経験のある投資家はぜひ活用してもらいたい。

講師=福永博之/日本勧業角丸証券(現みずほ証券)、楽天経済研究所を経てインベストラストを設立。代表を務める。テクニカルアナリストとしてメディアへの出演、コメントなど多数。

ページトップ