ジャスダックをめぐる重大材料が12日前後に公表!?

世界マネーの潮流に翻弄される銘柄はどれだ?

海外勢の巨額資金の流出入のたびにジャスダックの売買代金も激しくブレそう(撮影:尾形文繁)

日経ジャスダック平均が先週末6日で12連騰となった。12連騰は2012年11月~12月以来のこと。アベノミクス相場初期に起きた12連騰、これの再現VTR相場が突然やってきた。そのジャスダック銘柄の値動きに大きな影響を与えそうな材料が今週12日前後に飛び出しそうだ。

アメリカを代表する日本株のETFに「Wisdom Tree Japan Hedged Equity Fund」(以下、ウィズダムツリージャパン)という商品がある。昨年の日本株上昇局面で外国人投資家が大量に日本株を買った際、大量の海外マネーがこのETFに流入したことで知られている。

まずはこのETFの紹介をしよう。「ウィズダムツリージャパン」は米国に上場するETFで、米投資会社ウィズダムツリー社が組成した商品だ。アベノミクス相場さなかの2013年初時点での純資産総額は約1000億円にすぎなかったが、これが先週末時点で約1兆1000億円まで膨らんだ。

1年半で約11倍に膨張。海外ヘッジファンドが日本株投資に同ETFを利用していることがわかるだろう。この純資産額は東証上場で主流の日経平均型や東証株価指数(TOPIX)型のETFでみても4番目の巨大サイズ。デイトレーダー御用達の日経レバレッジETF(1570)でも純資産額は約2400億円。それを考えてもデカイ!

話を“重大な材料”に戻したい。この「ウィズダムツリージャパン」の毎年行う定期銘柄入れ替えが“12日前後”に発表されるのである。銘柄入れ替えがある……つまり、このETFは日経平均やTOPIXに連動させるタイプではないというわけだ。ウィズダムツリー社が独自の基準で構成銘柄、そのウエートを決めている。

その独自の基準は「配当金の総額」、これが特徴だ!先週末時点の組み入れ比率上位はキヤノン(4.8%)、トヨタ自動車(4.5%)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(4.4%)、武田薬品工業(4.1%)、ホンダ(3.7%)、JT(3.7%)、三菱商事(2.8%)……といった具合。ソフトバンクが上位にいないだけでも、日経平均やTOPIX型と異なることがわかるだろう。もちろん、無配の銘柄はダメ~なわけだ。

この巨大ETFの定期銘柄入れ替えは今回からナント、銘柄選定の対象に「ジャスダック銘柄」が加わるというのだ。これは重大な材料といえる。なぜなら、ジャスダック銘柄に門戸が開かれるということは、1兆1000億円に上る巨大資産がゴロゴロと動くからだ。

新規採用になった銘柄に関しては、「既存の組み入れ株売り→新規採用株買い」の形でリバランスが起きる。リバランス自体は20日の大引け後の予定とされるが、発表時点で先回り買いが殺到することだろう。

どんな銘柄が候補になるのか……。一部国内証券のクオンツチーム予想では、ポラテクノ(4239)、ジーテクト(5970)、日特エンジニアリング(6145)、ニューフレアテクノロジー(6256)、ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)、ナカニシ(7716)、国際計測器(7722)などがピックアップされているようだ。「配当金の総額」が基準のため通常、流動性の低い銘柄が多くなりそうな点でムネアツである。いずれにせよ、採用された銘柄は直球勝負で買い向かわれることだろう。

ただし……。海外ヘッジファンドが日本株投資の際に好んで売買するETFであることをお忘れなく!採用された該当銘柄には、日本株に対する外国人投資家の資金流出・流入の動向がこのETFを通じて如実に現れることになるのだろう。リスクオン、オフ、オフ、オン、そして、オフ……みたいなものに振り回される運命を抱える、ちょっと可哀想な気もするが……。

(おしまい)

(毎週火曜日に掲載)

株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。

 

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