日本新薬、導出した肺動脈性肺高血圧症が対象の治療薬の第3相国際共同治験が好結果

パイプラインに対する信頼性など高まり来期見通しを上方修正

水落 隆博

 日本新薬は16日、同社が創製し、導出した肺動脈性肺高血圧症を対象とする治療薬の第3相国際共同治験が良好な結果だったと公表した。

 スイスのアクテリオン社に導出している肺動脈性肺高血圧症の治療薬セレキシパグ(開発記号:NS-304)が、日本を除く世界各国で実施した第3相臨床試験において、有効性の主要評価項目を達成したと、16日朝方に発表した。これを受けて、株価は急騰している。16日は前週末の1991円からストップ高比例配分の2391円まで上昇。翌17日以降も、買い優勢の展開が続いている。

 肺動脈性肺高血圧症は、心肺間の動脈における血圧が異常な上昇をきたす慢性的な疾患。NS-304は、日本新薬が創製した、経口投与後血中濃度が長時間持続するプロスタグランジンI2(PGI2)受容体アゴニストであり、血管内のPGI2受容体を刺激し、血管拡張作用をもたらす。有用性の高い新規の肺動脈性肺高血圧症の治療薬として期待されている。

 アクテリオン社は世界の40カ国以上で試験を実施しており、今後、この結果を踏まえて世界各国での承認申請を速やかに行うという。今後、アクテリオン社が進める申請にしたがって、日本新薬にはマイルストーン収入が入る。また来期以降、順調に承認、発売となれば、そこでマイルストーン収入と売り上げに伴うロイヤルティを受け取ることになる。

 日本新薬では、セレキシパグを次期主力品の一つと位置づけており、国内でもアクテリオン社と共同開発の肺動脈性肺高血圧症治療薬および慢性血栓閉塞性肺高血圧症、また単独開発の閉塞性動脈硬化症治療薬の開発がそれぞれ第2相にある。このうち、共同開発の肺動脈性肺高血圧症治療薬については、国内の治験に加えて、アクテリオン社の国際共同治験結果を用いることで、国内でも来15年度に申請を目指している。

 日本新薬では、期初に発表した今2015年3月期の業績見通しにおいて、下期を中心に工業所有権など収益が前期の0.5億円から22億円まで拡大する計画を立てており、その大部分が申請に伴うマイルストーン収入と見込まれる。

 東洋経済としては、従来より今期の予想を会社計画数値に合わせている。今回の発表を受けて、アクテリオン社の申請の確実性は高まったが、前述のとおり、すでに承認に伴うマイルストーン収入は、会社計画にも織り込まれていることから、今期の業績予想の見直しは行わない。ただ、パイプラインに対する信頼性、セレキシパグの承認、発売の可能性が従来よりも高まったと判断して、来2016年3月期の業績見通しを上方修正することとする。

(百万円) 売上高 営業利益 経常益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連本2014.03 76,517 8,038 8,598 5,750 85.3 23
連本2015.03予 84,000 8,500 8,700 6,000 89.0 25
連本2016.03予 93,000 10,000 10,200 7,000 103.8 25 - 30
連中2013.09 35,593 3,106 3,220 2,145 31.8 11
連中2014.09予 38,000 2,000 2,100 1,400 20.8 12

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