続・知らないと損する!「過熱感」と「トレンド転換」の違い

ここさえ押さえれば、もう間違わない!

 今回は過熱感とトレンド転換の違いについての続きである。前回はサイコロジカルラインを使って過熱感を知る方法を書いた。過熱感の台頭がすぐにトレンド転換につながるものではないとも書いたが、さて、その結果はどうだったか……。日経平均株価のチャートで確認してみよう。

 まずはチャート下段のサイコロジカルラインをご覧いただきたい。前回も示したように、今月4日~9日のサイコロジカルラインは過去1年間で最も高い83.33%まで上昇し、過熱感が出ていることをはっきりと示していた。サイコロジカルラインでは75%以上を買われすぎと判断する。チャートの赤線がその水準だ。実際、株価は過熱感が示したとおり、いったん上昇をやめ、反落した。ここまではおさらい。問題はそのあとだ。はたして下降トレンドに転換してしまったのか……。

 答えはその逆。株価は過熱感でトレンドが転換するどころか、6月、4月、3月のそれぞれの高値を一気に上回り、戻り高値を更新する結果となっているのだ。もしこのとき、過熱感から「株価が下落してそのまま戻らない」と考えた人は、トレンド転換を意識しただろう。一方、「トレンド転換ではない」と考えた人は、ここは一時的な下落であってむしろ押し目買いのチャンスととらえたはずだ。

 ここで重要なのは、二つの選択肢のどちらをイメージしたかである。まさにこれが投資タイミングの「巧拙」を分けることになるのだ。そしてまたテクニカル分析を実戦で活用するための先読みポイントでもあるわけだ。

 では、何がこの二つの選択肢をイメージさせることになったのか。さらにはなぜ、トレンド転換しなかったのかということである。それは、移動平均線の向きと株価の位置関係であると筆者は考えている。たとえば4月3日に高値をつけた時(右から2番目の丸)を見ると、長期の移動平均線である75日移動平均線が下向きで、上昇してきた株価の頭を押さえ、長期の下降トレンドが継続している。一方、今回(一番右の丸)の位置関係を見ると、過熱感が警戒されるなかでも、株価はすべての移動平均線の上に位置したばかり、つまり、上昇トレンドが始まったばかりということがわかるのだ。

 このように過熱感に加えて、移動平均線の向きと株価の位置を確認することで、トレンド転換するのか、あるいは一時的な下落で済むのかの判断が可能になるのだ。一つの指標に惑わされず、総合的に判断し、売買タイミングを逃さないようにしてほしい。

講師=福永博之/日本勧業角丸証券(現みずほ証券)、楽天経済研究所を経てインベストラストを設立。代表を務める。テクニカルアナリストとしてメディアへの出演、コメントなど多数。

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