バラツキが出始めた小売り各社のセール開始時期

景況感改善やボーナス増受けて“横並び”姿勢に変化

皆さんは「夏が来たなぁ」と感じるのはどういった場面でしょうか?セミが鳴き始めたころ?扇風機を引っ張り出してきたとき?それとも、初めて冷房をつけた日?

挙げればたくさん出てくると思いますが、私は街中で「夏のセール、スタート!」の文字を見かけると、「あぁ、今年もこの季節がやってきたなぁ」としみじみします。って、どの季節でもセールはあるのですが、なぜか夏だけは特別なんですよね。「気温が上がっていくにしたがって、私の購買意欲も上がるから」なのかもしれません。

特に今年は、消費増税後初の夏のセールです。日銀が3日に発表した6月時点の生活意識に関するアンケート調査によると、1年前と比べた景況感指数は半年ぶりに悪化しました。一方、1年後の景況感指数は1年ぶりに改善し、消費者が景気の先行きに明るさを感じていることがわかりました。消費者のボーナスが去年よりも大幅に増えるなどプラスの要素もあり、例年とは違う夏の商戦が繰り広げられそうです。

違いがはっきりと出てきたのは、小売り各社のセール開始時期です。これまでのデフレ下では、ボーナス時期の需要をいち早く取り込もうとセール開始を7月1日前後に前倒ししてきました。しかし、今年は正規の価格で販売する期間を確保するためスタートを遅らせる動きが見られるなど、各社の対応にバラツキが出てきました。

八木ひとみ(やぎ・ひとみ)●岡山県岡山市出身。山口朝日放送のアナウンサーを経て、「TBSニュースバード」キャスター。気配り上手で、10人のキャスターをまとめるリーダー的存在。趣味は「多品種大量飲酒」。(撮影:梅谷秀司)

駅に隣接するファッションビルのルミネは消費の回復を見込み、開始のタイミングを一昨年よりも15日程度遅らせて今月中旬からセールを行う予定です。開始時期を遅らせるだけでなく、期間を短縮するなどして他社と一線を画す考えです。

これに対して、西武百貨店は例年と同様、6月下旬からセールを始めました。秋物衣料も去年より2週間前倒しで投入。新しい商品を提案し続けることで消費者の関心を引き付けるのが狙いです。

「開始時期にバラツキが出ることで、今年の夏はずっとセールが続いているような錯覚に陥るのでは……」と、止まることを知らない物欲の持ち主である私はなんだか恐ろしくなってきます。各社の戦略ははたして吉と出るのか、あるいは凶と出るのでしょうか……。

(毎週金曜日に掲載)

「TBSニュースバード」はTBSの24時間ニュースチャンネル。ケーブルテレビやスカパー!などを通じて視聴することができる。経済関連の報道にも力を入れており、東証アローズのブースからキャスターが1日に4回、株式相場の動きを伝えている。

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