どうなる?米国の利上げ開始後の日本株

日経平均は1万5000円水準を保てるかが焦点

 7月に入ってから日本も米国も株式市場は上値を試す動きとなっている。株高の原動力としては「世界的な金融緩和」が挙げられるが、米国では「量的緩和=QE3」の縮小が始まっており、今度は「次」の段階が取りざたされてくるはずだ。その際に慌てることがないように、今から備えておくということが必要だろう。

米国利上げ開始なら新興国問題再浮上だが…

米国の早期利上げ開始が新興国に与える影響は大きそうだが……

 先週のアルコアを皮切りに、米国企業などの6月までの決算発表が本格化する。「好調な決算」が相次ぐようになると、いわゆる金融緩和の「出口」=つまり、米国の早期利上げ観測が取りざたされるだろう。そうなると、新興国などに流れている「ドル資金」が米国に還流する懸念、今年初めに取りざたされた懸念がまた生じてくるのではないか。

 新興国はそうでなくても多くの問題を抱えている。中国の景気減速懸念、中東情勢の緊迫化、ウクライナ問題やアルゼンチンの債務不履行懸念に加え、さらに流入資金が絞られることになれば、世界的な混乱は免れないだろう。加えて、先週突如として表に出てきたポルトガルの銀行の問題もあり、米国の資金に頼れず、欧州域内での資金の懸念が出てくると、ドル資金の代替としての欧州資金という期待が外れる懸念も強まる。日本円での資金供給が新興国などに流れるという期待はできるのだが、ドルやユーロの信用収縮の動きは大きな影響となると思う。

 もちろん、米国がすぐに資金を引き揚げるということではなく、あくまでも「懸念」にすぎないが、いずれは米国も「通常の金融政策」に戻るのは間違いのないことであり、それに対する備えを考えておくべきだろう。

 日本株式市場にとってはそうした信用収縮の動きが出てもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いなどが期待され、大きな下落となりがたいのだろうし、米国での利上げの話が出てくると為替も円安に振れることになり、株価の下支え要因にもなる。また、新興国の経済自体が好調さを保つことができれば、米国の利上げの影響も限られてくるのだろう。

日経平均は天神底後にサマーラリー入りか

 日経平均の水準としては、まずは足元で1万5000円水準を保てるのかどうかというところだと思う。25日移動平均線を下回った状態が続くと上値の重さを嫌気した売りに押されて大きく下押すことになる。その際に年金の買いなどが入らないと、あっさりと日経平均で1万4800円水準まで調整となることもあると思われる。ただ、上述したように、円安ということになれば、1万4800円水準を割り込むことはないだろう。為替の反応がなく、新興国問題、地政学リスクが大きく取りざたされた場合は、1万4500円~1万4600円水準まで調整となる可能性もありそうだ。

 一方、上値は、円安が進む、あるいは新興国問題や地政学リスクが後退すれば1万5200円水準を抜けて再度1万5500円を試す動きになるのだろう。ただ、1万5500円を超えていくには、金融緩和をさらに進めるか、米国のように足元の企業業績などが好調でも金融緩和は続けるというメッセージが示されないと厳しいのではないか。

 テクニカル的に見て、今週早い段階で25日移動平均線を上回ってこないと指数は調整色を強め、「天神底」(大阪の天神祭の日(7月25日)に底値をつけるといわれる)となる可能性が高い。ただ、その後は好調な業績を織り込み、かつ、年金資金の買いなどを期待して「サマーラリー」となってくるのではないだろうか。

清水洋介 大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ

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