株式分割は”買い”が正解なのか?

「株式分割を好感」ってどこに「好感」したの?

太田 直人

29日に7月末の株式分割(1→5)後の株価で始まったサイバーダイン(7779)は、朝寄り後に年初来高値を更新した。6月末に株式分割を行ったミクシィ(2121)の分割後の連騰も記憶に新しいところだ。「株式分割を好感し上値にらむ」「分割人気が再燃」といったタイトルの記事もみかけるがホントなのだろうか?

そこで今年分割した銘柄のその後の株価推移を追って、本当に株式分割を「好感」していいものかを検証してみた。

株式分割のメリットとは?

まずその前に株式分割についておさらいしておこう。

株式分割とは、株式を一定の比率で分割することだ。たとえば、100万株の株式を発行している会社が1株を5株に株式分割すると500万株になる。その会社の株式を1000株保有していた投資家は、5000株に保有株式が増える。

分割前の株価が100円ならば、1000株×100円=10万円だったものが、分割後は5000株×100円=50万円となり、大儲け!……なんて、おいしい話はなく、株式分割をすると、分割した分だけ株価は調整される(株価が調整される日を権利落ち日という)。

この会社の場合、100円だった株価は5分の1の20円となる。つまり、株式分割後も5000株×20円=10万円となり、投資金額は株式分割前と変わらない。

では、まったくメリットがないかといえば、そうではない。以下、三つのメリットがある。

旧ライブドア社長時代の堀江貴文氏(2004年尾形文繁撮影)

①既存株主は株式分割前に比べて、細かい売買ができるようになる。たとえば売買単位が100株の銘柄ならば、1000株持っている株主は最大10回に分けてしか売れないが、5000株になれば最大50回に分けて売ることができる。

②株価が調整されるので、投資する際の最低投資金額が少なくてすむようになる。魅力のある会社ならば、これまで資金がなく、投資できなかった投資家が新たに参入してくるので、新規の買いを期待できるし、株式の流動性も向上する。

③会社が分割前の配当を据え置けば、増配と同じことになるし、株主優待制度が変更されなければ、優待制度の拡充となる。こうしたケースはまれだが、この場合は株価への好材料になる。

昔話だが、以前は株式分割を行うとしばらくの間、市場に分割した株式が出回らなかった。大きな比率で株式分割を行うと需給のバランスが崩れて、株価が急騰するケースがあった(有名なところでは、上場廃止となった旧ライブドアなど)。現在は規制改正によって、このようなことは発生しなくなっている。

ページトップ