レアジョブ・加藤社長「英語学習の“自動車学校”を目指す」

新規公開企業のトップにナマの声を聞く連載第5弾

「IPO会社の社長に聞きた~い!」。インタビューならびに構成、原稿執筆を担当する角田佐哉香です。5回目に話を聞くのは6月27日に東証マザーズへ上場したレアジョブ (6096)の加藤智久社長です。東京・渋谷にある本社へお邪魔しました。

同社はマンツーマンのオンライン英会話「レアジョブ英会話」を展開。フィリピン在住の同国人を講師とし、インターネット通話ソフトの「Skype(スカイプ)」を使って英会話の遠隔レッスンを提供しています。

上場当日は買い物が膨らんで値がつかないまま、気配値を切り上げる展開。翌営業日の同月30日に3155円と公開価格の1170円の約2.7倍の水準で初値がつきました。7月4日の取引時間中には5420円まで値を上げましたが、その後は軟化。先週末15日には一時、2681円まで売られ、終値は2730円となっています。上値の重い展開が続く中、加藤社長は投資家にどのようなメッセージを発信するのでしょうか。

レアジョブは「スカイプ」を通じて英会話レッスンを手掛ける。設立は2007年。講師は約3000人のフィリピン人で、同国にある子会社が講師の選定、管理を行っている。サービスは1レッスン当たり129円からという低価格に特徴。累計無料登録ユーザー数は23万人を超え、有料登録ユーザーは約3万人を数える。09年には法人向けサービスも開始し、英語研修などを行っている。

「スカイプ」に出会い、「大きな波が来る」と直感

ーー「レアジョブ」とは、ユニークな社名ですね。

インターネットを通じて、講師にレアな(珍しい)環境下での仕事を提供していると思っています。オフィスに出勤せず、自宅から英語を教える。自分の持つ才能や実力のみが評価されるという面で、「レアなジョブ(仕事)」と言えます。

「日本人1000万人を英語が話せるようにする」というミッションも掲げています。会員である利用者には英語が話せるようになるだけでなく、世界へグローバル人材として羽ばたき、レアなジョブを手にしてもらいたい。そのような思いも込められています。

かとう・ともひさ●2005年に外資系の戦略コンサルティングファーム、モニター・グループ入社。2007年10月レアジョブ社長に就任、現在に至る。

ーー勤めていたコンサルティング会社を辞めて、オンライン英会話事業の会社を立ち上げました。

外資系の戦略コンサルティングファームに勤務していた2005年に(無料で音声通話やテレビ電話ができる)「スカイプ」と出会ったのが起業のきっかけになりました。今でこそ多くの人が当たり前のように利用していますが、当時は周囲に使っている人がいなかった。

実際に使用してみると、遠くにいる相手が目の前にいるかのような感覚で話すことができる。しかも、無料。「これこそがインターネットだ」と思いました。ビジネスではこれから盛り上がってくる波に乗ることができるかが大事。「スカイプ」を利用した市場は大きくなるはずと判断し、その波に乗ろうと決めました。

同時期に国立フィリピン大学の学生に会ったのも一つのきっかけです。同大学にはフィリピンで優秀な人たちが集まっていたけれども、彼らには仕事がなかった。こうした状況を目の当たりにし、「スカイプを使って雇用の機会をフィリピンへ届けたらすごいことが起きるんじゃないか」と思い立ちました。そう考えるとワクワクし、会社の仕事に集中できなくなって起業を決断しました。

新会社を始動させたときにはオンライン英会話の会社がいくつかありましたが、ビジネスとしては成立していなかった時代。通学制英会話で大手だったNOVAが破綻した年でもあり、逆風下でのスタートでした。

ーーフィリピン人の講師ばかりとなれば、人件費の面でのメリットもありそうですね。

「1レッスンにつき25分で129円」という低価格も物価の安いフィリピン発でレッスンを提供しているからこそ実現できる。(国民の平均的な所得水準を示す)名目の一人当たり国内総生産(GDP)で見ると、日本とフィリピンには10倍以上の開きがあります。当社の報酬は日本なら安くても、フィリピンで働く人たちからすれば結構高い水準です。

英会話ビジネスではいい講師を確保するのがとても重要。そのためにはある程度、講師にいい報酬を支払わなければなりませんが、日本ですべてやろうとすれば、レッスン料に反映させなければならない。それが通学制英会話スクールにとっては、ある種の限界です。

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レアジョブ (6096)

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