オービックは利益上振れ濃厚、大企業向けの拡大が続く

保有株売却準備し上期の増益も死守へ

山内 哲夫
東京・京橋にあるオービック本社、資産価値も高い

 独立系SI大手のオービックは、大企業向けが拡大し好調を持続。今2015年3月期も利益が続伸し、会社期初計画から上振れしそうだ。

 オービックが7月下旬に発表した第1四半期(14年4~6月期)は、売上高130億円(前年同期比6.3%増)、営業利益55.1億円(同11.1%増)、経常利益62.9億円(同12.8%増)と好調を持続。主力の統合業務ソフトウエアの「OBIC7」シリーズが、メーカーや流通などの大企業向け中心に拡大しており、不採算案件も回避できたほか、好採算のシステムサポートが順調に積み上がった。

 会社側は通期見通しの売上高575億円(前期比4.5%増)、営業利益233億円(同6.4%増)、経常利益271億円(同8.9%増)という計画を据え置いた。ただ、東洋経済では、会社計画は上振れが濃厚とみて表記のように予想を引き上げている。

 前上期(13年4~9月)には、償却済みのロシア債権の回収特益5億円があった。それがなくなる今上期(14年4~9月)は、株の売却益を出して前上期の利益を上回る計画。準備している保有株は足元の株高で売却益を十分見込める水準という。この売却予定の株式については、営業益が想定を上回るペースで伸びているため、売却が当初予定より少なくて済む可能性も出てきた。このため、最終利益については、従来予想の180億円を据え置いた。

拡大する大企業向け案件

 もともと中小、中堅企業向けに強い同社だが、ここ数年は大企業向けも伸ばしている。「OBIC7」という核となる統合業務のパッケージソフトがあるため、短納期の実現が可能。従来型のシステム構築では、膨大なコストと時間がかかってしまう。ITの技術革新の速さを考えれば、この時間が惜しいと考える企業は少なくない。このため、標準化、パッケージ化されたシステム構築を考える企業が増えている。こうした流れを追い風に、オービックはコストとスピードを武器に大企業にも食い込んでいる。

 その象徴的事例となったのが、三菱重工グループへの「OBIC7人事給与システム」の導入例。三菱重工業そのものは大企業だが、今回システム統一した40社の子会社群は中小規模が多い。このグループの人事と給与システムをクラウドで統一した。各社でばらばらにシステムを持てば、運用コストがかさむ。一方、本社が採用するSAPのERPなどは重厚すぎて、これに統一した場合、運用コストは倍になってしまうという。必要最低限に絞られたオービックのシステムは中小規模に適していたのだ。

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