気鋭の三菱商事系コンサル、利益ゼロに失速

シグマクシスは上場わずか8カ月で2度目の業績下方修正

西澤 佑介
シグマクシスは昨年12月に上場、異色の成長企業と期待されたが、足元は業績悪化が鮮明になっている

シグマクシスは2008年に設立した気鋭のコンサルティング企業だ。数多くの大企業と取引のある三菱商事の関連会社というブランド力も手伝い、短期間で急成長。設立からわずか5年後の2013年3月期には年間売上高で100億円を突破、13年12月には早くも東証マザーズに上場を果たした。戦略コンサルを中核とする会社の上場は珍しいこともあり「異色の成長企業」として証券業界、アナリストは期待を膨らませた。

相次ぐ下方修正で株価も低迷

 しかしそのムードは一変している。上場からわずか8カ月で、立て続けに2期連続で業績予想を下方修正したためだ。前14年3月期の営業利益8.2億円と、それまで掲げていた予想(12億円)を3割も下回る低水準で着地した。今15年3月期も9億円としていた営業利益見通しをあっさりと期中で引き下げ、ゼロになると先月に発表した。

 「この会社自体にコンサルをつけたほうがいいのではないか」

 2回目の業績下方修正を発表した8月26日、投資家たちはネット上でこうシグマクシスへの不満をぶちまけた。実際、上場直後は一時2000円台(分割調整後)に達した株価は、現在は500円台で低空飛行を続けている。

 「新しいテクノロジーを活用したオファリングの開発及びスキル転換にかかる資源投入活動に想定以上に時間を要した」。不振を説明する同社の文書は要領を得ない。

 ただ、真相はそう難しくない。コンサルティング会社は高度な事業運営を行う印象があるが、実際は泥くさい労働集約型のビジネスである。一般に全社コストの大半がコンサルタントの人件費で、シグマクシスの場合も平均年収1041万円に上る従業員の人件費が全コストの7割を占める。会社の全従業員390人のうち9割はコンサルタントだ。要は彼らを「いかに高い単価で」「たくさん稼働させるか」によって収益性は決まる。

 問題は、このうち稼働率の低迷だった。発端は14年3月期まで続いてきた製造企業向けの大口案件が終了したこと。今期は4~9月までの半年だけでも8億円もの大きな減収インパクトになることが目に見えていた。新規受注によってその穴埋めをしなくてはいけなかったが、当初の想定よりも手間取っている。

 シグマクシスが今期の目玉と目していた新サービスに、クラウド上で提供する企業のグローバル・サプライチェーン管理システムがあった。だが、このサービスの提供元である米国企業との販売代理店契約交渉に想定以上に時間がかかり、営業開始が遅れた。

 また、多くの社内コンサルタントにとってなじみの薄いこのサービスを、会社を挙げて一気に展開しようする計画も無謀すぎた。「この新しいクラウドアプリケーションを売り込むに当たっては、その商品内容を自社で理解するための学習コストや、販売方法を新たに学ばなければならなかった。コンサルタントがシステムを提案営業するためのデモンストレーション用資料を作成する時間も思った以上にかかってしまい、機会ロスを生んだ」(シグマクシスの田端信也CFO)。結果として、コンサルタントの4~6月期稼働率は計画よりも10%強下回ったという。

 ただ「こうした種々の下準備による赤字フェーズは上半期で終わり、下期から右肩上がりに売り上げが回復してくる」と田端CFOは説明する。もっとも、同社のコンサルは受注から売り上げまで平均3カ月程度の足の短いビジネスが多く、具体的な急回復が現時点で保証されているわけでもない。現状を、新しいクラウドサービスで再度飛躍するための「生みの苦しみ」と見るか、「短兵急に新サービスを展開してしまった結果、やけどを負ったのか」を見極めるにはもう少し時間が必要だろう。

(百万円) 売上高 営業利益 経常益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単本2014.03 9,680 828 818 723 157.0 0
単本2015.03予 7,950 0 0 0 0.0 12
単本2016.03予 9,000 600 600 450 22.7 12
単中2013.09 4,655 398 398 399 88.7 0
単中2014.09予 3,400 -450 -450 -590 -29.8 0

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シグマクシ (6088)

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