ウケる~、四季報「歴代おもしろコメント」独断ランキング!その②

あれから17年、67冊を読破した男の「深イイ話」ー(15)

渡部 清二

 私の17年間の四季報読破歴の中で「気になったコメント」や「おもしろコメント」をランキングした第2弾。前回の10位~6位に続き、今回は5位から1位の発表だ。

 あらためてお断りしておくが、あくまでこれは私が独断と偏見で勝手に選んだランキングだ。四季報記者がまじめに書いているものに対して、私が一人で勝手にウケていたものである。四季報は、あの少ない文字数に情報をぎっしり詰め込むため、言葉をはしょるなど独特の文体となっているためか、記者がまじめに書けば書くほど、一部の文章だけが非常におもしろく見えてしまうことがある。私が一瞬でもまったく違った意味に解釈し、一人で大ウケしていたことを、その記者に伝えたらびっくりすることだろう。

それではランキングの発表だ

第5位 武蔵野興業(9635) =2012年4集コメントより
「【想定超】レイトショーで18歳未満禁止の異色作「ムカデ人間2」が連日満杯の大ヒット」   

 まず銘柄コード9000番台は陸運、海運、運輸・倉庫、情報・通信、電気・ガス、サービス、小売業、卸売業などさまざまな業種が混在しているため、変化に富み、銘柄もJR各社、NTT、ソフトバンク、ファーストリテイリングなど誰もが知っている会社が多い。その反動でそれ以外の銘柄は非常に地味に感じてしまうのだ。四季報を1000番台から読破し始めると、終盤の9000番台ではすでに体力・気力が落ちているせいかもしれない。その中で、当社も「新宿駅前の武蔵野館を持つ映画興行の老舗」の映画館で、特に目立つ存在ではない。

 そこでいきなりこのコメントだ。「ムカデ人間って何?」と思わず食いついてしまった。さっそく公式ホームページを見ると、おどろおどろしい映像とともに、「つ・な・げ・て・み・た・い」「映画史上最もヤバい映画」「正真正銘の観る危険物」などと刺激的な表現が並んでいる。恐る恐るホームページにあった1分ほどの予告編を見た。あまりの衝撃に目がくぎ付けになり、しかし最後はなぜか笑ってしまった。おすすめしないが公式ホームページは今でも見ることができる(http://mukade-ningen.com/)。

 このように特に投資アイデアになったわけではないが、世間一般には流れてない、知る人ぞ知るネタでも、四季報には書いてあったこと自体がすごい。逆にネタがなさすぎてこのネタになったのかもしれないが、私にとっては豆知識が1つ増えたことはよかった。

第4位 アツギ(3529) =2011年1集コメントより
「軟調のパンストは引き締め」   

 アツギと言えばストッキングやインナーの大手だ。そのアツギの、このコメントを見た瞬間、「だぶだぶのパンストを引き締める!?」と認識したと同時に、非常に変な映像を頭に思い描いてしまった。この文だけを見れば私じゃなくても多くの方が同じことを想像するのではないだろうか。

 このコメントには「丈夫など機能打ち出す新製品を投入」と続く。つまり、記者が言いたかったのは、業績がよくないパンスト部門の手綱を引き締めて、丈夫な新製品を投入し、テコ入れをするということだったのだ。

 ちなみにこの会社は極めて割安に放置されている。四季報によると自己資本比率85%、PBR0.4倍以下、配当利回り2.8%で大変お買い得だ。しかもここ2~3年は8月から9月が株価の底になっており、今はタイミング的にもよさそうだ。「麦わら帽子は冬に買え」との相場の格言があるが、ここはその逆、「パンストは暑い真夏に買え」でいけるのではないか。

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