インタビュー:GPIF資金は15銘柄超に投資=米運用会社CEO

海外投資会社に「扉」開いたGPIF

9月4日、GPIFの資金を運用する米タイヨウ・パシフィック・パートナーズのヘイウッドCEOは、サイバーエージェントや産廃処理大手ダイセキなど15銘柄以上に投資していることを明らかにした。写真は都内の株価ボード。1月撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

[東京 4日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を運用する米タイヨウ・パシフィック・パートナーズのブライアン・ヘイウッド最高経営責任者(CEO)は3日、GPIFの資金をサイバーエージェント<4751.T>や産廃処理大手のダイセキ<9793.T>など15銘柄以上に投資していることを明らかにした。ロイターのインタビューに答えた。

<海外投資会社に「扉」開いたGPIF>

タイヨウは、GPIFの資金を受託したセイリュウ・アセット・マネジメントから運用を任されている。3月末時点での運用額は時価総額ベースで51億円と、GPIFの国内株式アクティブ運用における受託機関の中では最も額が小さいが、ヘイウッドCEOは今回のGPIFによる(受託)決定は、海外の投資会社にとって大きな意味を持つと感じていると話す。

「(われわれのような)小さな海外の企業が日本の年金を扱う可能性は、これまでほぼゼロに等しかった。しかし、GPIFがわれわれを選んだことで可能性の扉が開かれた」と評価。「他の日本の年金基金も海外の投資会社に目を向けるかもしれない」と期待を膨らませた。

GPIF資金の投資先については「これまでと同様のプロセスで銘柄選定を行っている」とし、その企業が割安銘柄かどうか、技術的な強みがあるかどうか、経営陣との相性が良いか、といった点に着目しながら投資の可否を判断している。

具体的な銘柄については、産廃処理大手のダイセキや、「アメブロ」を運営するサイバーエージェントなどを挙げた。ビジネスモデルや経営者の人物像、成長余地などを評価して投資を決めたという。

また、タイヨウが発行済み株式総数の8%強を保有する東京会舘<9701.T>は、GPIFの資金では投資していないとした。

<「黒船」の役目>

タイヨウは投資先の企業と友好的な関係を築く「フレンドリー・アクティビスト」として知られている。企業に対して高圧的に利益拡大を求めるのではなく、あくまで経営判断をサポートする役回りに徹しているという。

ヘイウッドCEOは、「たとえば経営陣とIR部門で意見が食い違っている時は、双方の言い分を聞いた上で仲介役を買って出る。ある企業の経営者からは『タイヨウには黒船になってもらいたい』と言われたこともある」とし、社内に変化をもたらす海外からの起爆剤としての役割を求められていると話した。

企業によっては「発行済み株式総数の10%以上は保有しないでほしい」と言われることもあるが、そうした場合には基本的に企業側の要求に従うという。

逆に、「真空技術」を使って半導体製造機器の部品などを作るアルバック<6728.T>は、タイヨウが昨年末時点で発行済み株式総数の17.3%を保有しているが、これは同社がタイヨウに対して歓迎の意を示したからだという。

経営に積極的に関与する「モノ言う株主」は、これまでやや敬遠されがちな存在だったが、タイヨウが運用先として選定されたのは「より高いリターンを獲得することが目的ではないか」とヘイウッドCEOは推測している。

また、「われわれのように良い企業に投資するファンドをサポートすれば、GPIFにとってリターンの拡大を意味するだけではなく、日本全体に潤いを与えることにもなる。背景にはこうした一石二鳥の考えがあるのではないか」と述べた。

タイヨウが投資対象としているのは、時価総額が数百億から数千億円程度の中小型株で、5年以上の長期保有が基本方針となっている。

(梅川崇、富沢綾衣 編集:田巻一彦)

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