女子アナ受験、傷ついた乙女心を支えてくれたもの

消費者を魅了する高級化粧品の“魔法の成分”

突然ですが、ちょっと特殊なアナウンサーの就職試験について説明します。

まずはエントリーシートを提出し、通過すれば1次面接。ここまでは一般企業と同じでしょう。しかし、いざ面接に向かうと元タレント、大学のミスコンテスト入賞者など、アイドルと見間違うかのような容姿の女子大生が待合室にズラリ。カラフルなスーツに身を包んでキラキラしたオーラを放ち、いつ、誰に見られてもいいようにニコニコしながら座っているのです。

佐々木真奈美(ささき・まなみ)●北海道札幌市出身。山形テレビアナウンサーを経てTBSニュースバードキャスター。山形時代には記者も兼務し、“夜討ち朝駆け”もしていた。本人曰く「職業はアナウンサー、趣味もアナウンサー」。他局のアナウンサー事情にも詳しく、“マニア”を自負する。特技は中国語。(撮影:梅谷秀司)

そして、グループ面接が始まると、自己PRで踊りだす人もいれば歌いだす人もいて……。北海道で生まれ育った私はこの雰囲気に圧倒されっぱなし。「この人たちの中で一番になるなんて!内定を取るなんて、絶対に無理だよぉ~」と泣き出したい気持ちでいっぱいになりながら就活をしていました。

まったく手応えのなかった面接を終えた帰り道。「自分の容姿に自信はないけれど、ちょっとでもきれいに見られたい」。そんな一心から、つま先が痛くなるほど背伸びをして向かったデパートの化粧品売り場で、「クレ・ド・ポー ボーテ」という化粧品ブランドに出会いました。資生堂の扱う化粧品・スキンケア用品でも高価格帯のブランドで、30年以上にわたって同社の最高級ラインとして展開されています。

「クレ・ド・ポー ボーテ」の化粧品カウンターへ行くと、「少しでもキラキラしたオーラをまといたいんです!」と美容部員に懇願。塗ってもらったのがリキッドファンデーションでした。

すると、私の“芋っぽさ”を演出していた頬の赤みや、ニキビのあとがつるりと消えてあっという間にツヤツヤとした隙のない肌が出来上がったのです。ファンデーションのお値段は1万2000円……。それまで1000円前後の化粧品を使っていた私には破格の値段でしたが、「あの華やかな受験生の中で一番にはなれないかもしれないけど、最高級の物を使うことで心の中では一番だって思えますように」と意を決して購入に踏み切ったのを今でもよく覚えています。

「そんなに高いものを買わなくても化粧品なんてどれも一緒じゃないか」なんて思う人もいるかもしれません。しかし、高級化粧品は美容効果が大きいだけでなく、いろいろなコンプレックスや悩みを抱えた女性が少しだけ勇気をもらえる“魔法の成分”も含んでいる気がします。

資生堂によると、たとえ不況期でも高級化粧品が買い手控えられることはあまりないそうです。そこには「誰よりも、少しでも、可愛くきれいに見られたい」という乙女の心理が働いているのでしょう。

9月に入って、街の空気も秋めいてきました。メイクも落ち着いた色にシフトした秋の新作が次々と化粧品売り場に並び始めています。この秋、より多くの乙女の心を動かすのはいったい、どのブランドなのでしょうか。

(毎週金曜日に掲載)

「TBSニュースバード」はTBSの24時間ニュースチャンネル。ケーブルテレビやスカパー!などを通じて視聴することができる。経済関連の報道にも力を入れており、東証アローズのブースからキャスターが1日に4回、株式相場の動きを伝えている。

 

ページトップ