ゲーム株はゲームオーバー?それともコンティニュー?

大量のカラ売り残が株価の行方を左右する可能性も

岡村友哉

新興株市場のモメンタムを表すシンボル株といえばミクシィ(2121)である。信用買い残は、8月29日時点で約922万株(=9月5日終値換算で同484億円に相当)。これは、金額ベースでは新興株で最も大きい。「ミクシィが上がればハッピー!」、そんな人が日本を見渡せばまだまだ多いということである。

そのミクシィ株はここへきて明らかに元気をなくしている。チャートでいえば、これほど明確に25日移動平均線を下回ったのは4カ月ぶりだし、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロス(一般的に「売りサイン」とされる)まで形成してしまった次第である。

こんなチャート分析はさして意味をなさないが、とはいえ、過剰流動性こそを活力としてきた株だけに、足元の出来高減少は気になるところ。25日移動平均出来高は先週末9月5日時点で856万株。これは今年のピークである6月18日時点の同2318万株より6割以上減っているのだ。

ミクシィは8月5日、信用規制の対象になったが、同月27日は規制が解除された。信用取引ができるのに、出来高が減少傾向になったという点にも、投資家の関心度低下が感じられるところである。

ミクシィにかぎらず、東証1部のコロプラ (3668)も出来高が急減。ひと頃にぎわったクルーズ (2138)などは売買代金ランキングで目にすることもなくなる始末だ。「ゲーム株もついにゲームオーバーか?」なる軽口も聞こえてきそうだが……。株価も(ある程度)落ち着いてきただけに、新たな投資家層(個人以外)がコンティニューボタンを押す展開に期待したいところだ。

今週は、海外の機関投資家が日本に大挙として押し寄せる。その理由は、8日(月)~12日(金)にメリルリンチ日本証券が毎年恒例の日本株セミナー(ジャパン・コンファレンス)を開くためだ。場所はグランドハイアット東京。すでに400名程度が参加するとも報じられている。

同コンファレンスでは今回、機関投資家とネット企業の経営者とのセッションが設定されている。ゲーム関連の企業では、8日にエイチーム (3662)の社長が機関投資家を対象にスモールミーティング(少数名開催)を行った。11日午後には、ガンホー・オンライン・エンターテイメント (3765)とサイバーエージェント (4751)の社長などがラージミーティングを行う。

ある外国証券のネット株アナリストはミクシィが急騰していた当時、海外の機関投資家から「なぜこんなことが起きているのか?」との問い合わせを多く受けたという。余熱は残っているだけに、そうした投資家が今後どう動くのか、興味津々である。

「買ってみよう!」とはならずとも、「カラ売りはやめておこう」となるだけでも株価にはプラスに働くだろう。ミクシィ、クルーズ、アドウェイズ (2489)、ユナイテッド (2497)、ブロッコリー (2706)、エイチーム、マーベラス (7844)などのゲーム・ネット関連株に共通するのは、どこから借りてきたのかは不明ながら大量のカラ売り残高があることだ(東証公表のカラ売り残高参照)。買い戻しに動くだけでも、見た目的には「誰かが買っている」風に映るはずだが……。

(おしまい)

(毎週火曜日に掲載)

株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。

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