NSD、自社株無償割り当てで配当が1割“ベースアップ”

今期はメガバンクのシステム統合案件など大型案件が豊富

長谷川 愛
NSDの主力サービスの一つである「FileServerPad」

 金融向けなどのシステム開発を手掛けるNSDが、自社で保有している自己株式を株主に無償で割り当てる。

 2015年2月末時点の株主が、1株につき0.1株を無償で得られるというものだ。株主は保有株式が1割増加し、今15年3月期の期末配当以降は、受取配当金も実質1割増になる。市場に流通する株式数が増えるため、株式の流動性も高まる。自己株式の無償割り当ては、05年の会社法施行以降初めてのケースだ。

 NSDの自己株式は、足元で発行済み株式総数の15%にも達しており、有効活用が課題となっていた。今城義和社長は「これまでも自己株の消却を実施したことがあるが、株価上昇にあまり効果がなかった。そのため今回の自己株無償割り当てに踏み切った」と説明する。NSDは連結配当性向が40%以上と比較的高く、今期は初の中間配当として創立45周年記念配当45円を行うなど、近年は特に株主還元に力を入れている。

NSDは日本初の「自社株無償割り当て」に踏み切った

 事業面では、顧客企業のIT投資が活発化し、メガバンクのシステム統合案件など大型案件が豊富。今期の会社計画は売上高450億円(前期比11.7%増)、営業利益54億円(同11.4%増)と増収増益を見込む。ただ今城社長は「今は人が足りないくらい状況がいいが、市場がこのまま右肩上がりになるとは思っていない」と話し、ITを活用した新事業の育成に力を注ぐ。

 その一つが医療領域だ。米国では現地子会社を通じて13年4月に独バイエルグループからテレヘルス(遠隔医療)事業を取得。日本では今年8月、医療機関向けにスマートフォンを用いた体質検査サービスを開始し、健康管理分野に参入した。当初はアルコール耐性検査のみだが、徐々に検査項目を増やしていく。そのほか、教育分野でも大学と組んで共同研究を実施中。事業の幅を広げる布石を打っている。

(百万円) 売上高 営業利益 経常益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連本2014.03 40,285 4,848 5,076 3,165 76.2 32
連本2015.03予 45,000 5,400 5,500 3,200 78.4 78記
連本2016.03予 49,000 6,000 6,000 3,500 85.8 33 - 35
連中2013.09 19,594 2,243 2,340 1,072 25.8 0
連中2014.09予 21,000 2,300 2,350 1,300 31.9 45記

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