「時価総額」で読み解くテンバガー(10倍株)の可能性

あれから17年、68冊を読破した男の「深イイ話」ー(22)

渡部 清二

 これから数週間にわたって、【株式】【財務】【指標等】【キャッシュフロー】【業績】欄について書いていく。トップバッターは【株式】欄だ。この欄ではその企業が発行する「発行株式数」や「時価総額」、そして誰もが気になる「株主優待」の有無がわかるが、今回は「時価総額」に注目したい。

 まずは「時価総額」が何を意味するかだ。以前お伝えしたように、「時価総額=その会社の市場評価」と考えるのが普通だが、もっと生々しく考えるなら、時価総額分のおカネで、その会社を丸ごと買い取れるいう意味でもある。しかし私は「テンバガー(10倍になる株)」のように、その企業の「株価が何倍になる可能性があるのか?」を考える時にこの数字を重視するようにしている。

 時価総額は、四季報紙面上段のチャート欄にある「株価」と【株式】欄の「発行株式数」を掛けて求める。関係式は「株価×発行株式数=時価総額」となる。増資などで発行株式数に変更がないかぎり、時価総額が2倍になれば株価は2倍になっているし、株価が2倍になれば時価総額も2倍になる。たとえば、株価がここ2年でおよそ2倍と、実は意外と堅調に上昇している日本電信電話(9432)=NTTで考えてみたい。

 もし今後もNTTの株価が順調に上昇し、株価が「テンバガー(10倍)」になると予想してNTT株を買い付けたとする。それは現在およそ7兆円の時価総額が、いずれ70兆円になると予想しているのと同じことになる。9月末時点で時価総額世界一は米国アップルで、およそ6000億ドル(1ドル100円で60兆円)である。つまり、今後NTTがアップルを抜いて時価総額で世界一になると予想していることもなるのだ。

 私はその可能性がないとは言わないが、今すぐは厳しいと感じる。この時点でNTTの株価は現在のところ「テンバガー」にはならないという判断になるのだ。

現在世界一の時価総額を誇る企業は米国アップル社で約60兆円(写真はティム・クックCEO、米バロアルトのアップルストアでのiPhone6発売イベントで、撮影:田邊佳介)

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