コロワイドの「かっぱ寿司」買収に思う

肉と魚の二本立てで生き残りを狙う

槙 あやな

 先日、近畿や関東で木枯らし1号が吹いたと発表され、冬の気配も感じられるようになった今日この頃。「食欲の秋」だからと、寒い冬に備え、ますます食べて蓄えようとしてしまう私です。

まき・あやな●佐賀県鳥栖市出身。NHK長崎放送局キャスターを務めた後、「TBSニュースバード」キャスター。趣味はランニング。フルマラソン完走の翌日に全身筋肉痛をおしてハワイ旅行に出掛けるというバイタリティあふれる女性(撮影:今井康一)

 その「食」の業界で、大きな再編の動きがありました。居酒屋チェーン「甘太郎」などを運営する外食大手のコロワイド (7616)によるカッパ・クリエイトホールディングス (7421)の買収です。カッパクリエイトHは回転ずしの「かっぱ寿司」を展開。コロワイドが株式公開買い付け(TOB)などを通じてカッパクリエイトHの株式の過半を取得するということです。

 コロワイドはこれまでにも居酒屋事業を手掛ける一方で、ステーキ店を展開する企業の子会社化や焼き肉チェーン「牛角」を展開するレックス・ホールディングスの買収など非居酒屋事業にも傾注してきました。

 しかし、人口減少に伴う市場縮小の加速化は避けられそうにありません。そこで、親子連れなどの客層をもっと拡大させようと、お肉だけにとどまらず「鮮魚」を扱い、ファミリー層が集まる回転ずしに目をつけたわけです。

 これに対して、カッパクリエイトHは安さを売りにした「平日・終日1皿88円キャンペーン」などの取り組みを行い、来店客の心をつかもうとしましたが、売上高の前年割れが続くという厳しい状況に陥っています。

 子どもの頃に回転ずしでご飯を食べるのは、家族の一大イベントのようなものでした。「100円寿司」は値段を気にせず、家族で楽しくおすしを食べることのできる憩いの場ともいうべき存在だったように思います。

 最近は食の多様化を背景に、家族が外食を楽しむ場も広がりをみせています。もはや「100円寿司」だけが「ハレの日」の楽しみ、というわけではありません。居酒屋で子どもが「とりあえずジンジャーエールで!」と真っ先に注文している光景を目の当たりにしたときには、「あ~、時代は変わったな」と感じました。そうした変化を踏まえれば、食の領域の拡大を図るコロワイドの戦略は当然の生き残り策といえるでしょう。

 「食べることは生きること」。外食業界の将来展望が開けてくれば、私たちの未来にも明るさが見えてくるかもしれません。

(毎週金曜日に掲載)

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カッパクリ (7421) コロワイド (7616)

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