不安定感消えない市場、「タカとハトの間」で揺れるFRB映す

米株再調整に警戒感、日本株も薄商い続く

ロイター

[東京 30日 ロイター] - 金融市場は不安定な状態が続いている。米連邦準備理事会(FRB)からの情報発信が、タカ派的な内容とハト派的な内容で揺れ動いるためだ。経済の先行きが見通しにくい中、フリーハンドを確保することは重要だとしても、米利上げの道筋や時期がはっきりするまで、市場心理は落ち着きにくい。

日米株やドルは調整後の戻りを試してはいるものの、商いは薄く、二番底形成の警戒感は根強く残っている。

10月30日、米FRBからの情報発信がタカ派的な内容とハト派的な内容で揺れ動いるため、金融市場は不安定な状態が続いている。FRB本部、28日撮影(2014年 ロイター/Gary Cameron)

一貫しない「メッセージ」

FRBからの「メッセージ」が一貫しない。7月29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(8月20日公表)や8月末のジャクソンホール会議でのイエレンFRB議長の発言がタカ派的であったのに対し、9月16─17日のFOMCやその議事要旨は一転してハト派的だった。そして今回(10月28─29日開催)のFOMCは再びタカ派的に戻ったとの見方が大勢だ。

「相当な期間(緩和的な政策を維持する)」というキーワードは残され続けているものの、雇用情勢の分析表現や、早期利上げの可能性を示唆する文言が、そのときどきで変化している。

欧州の景気減速やエボラ出血熱の感染拡大、原油価格の下落などの材料がFRBの景況感を左右した可能性もあるが、その前後でファンダメンタルズが大きく変化したわけではない。米国のマクロ経済指標は、少なくとも現時点までは総じて堅調だ。

米金融政策の動向は、世界のマーケットを大きく左右する最大級の材料だ。それを担うFRBからの情報発信内容が定まらない以上、マーケットもなかなか落ち着きどころを見出せない。「市場は細かい言葉尻を材料視し過ぎる面はあるものの、その細かい表現に意味を込めるのが中央銀行のやり方であり、それが材料視されるのは致し方ない。また、見方が定まっていないということは、短期筋が売買両方で仕掛けやすい背景にもなる」(外資系証券)という。

シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は「FRB内に確たるビューがないのだろう。景況感だけでなく、金融政策を正常化に向かわすには、どうしたいいか見方が定まっていないのではないか。それが投資家の見方にも反映され、非常に振れが大きいマーケットになってしまっている」と指摘する。

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