株主優待を狙って銘柄選び、その「秘訣」とは

あれから17年、68冊を読破した男の「深イイ話」ー(24)

渡部 清二

 今週も先週に続き「株主優待」について書いてみたい。

 早速だが「株主優待」を有効活用して、いかに楽しい生活を送るかについては、その道のプロである桐谷広人さんにお任せしたい。桐谷さんは「優待名人」として有名で、本当に株主優待だけで生活しているというから驚きだ。私からは、あくまで四季報を活用して「株主優待」の切り口からどのように銘柄を選ぶかについて書きたいと思う。

 前回にお伝えしたが、四季報の【株式】欄に「優待」の記載があれば、その企業は「株主優待」を実施している。気になる優待内容については四季報巻末の株主優待一覧(秋号は1977ページ)で確認できる。株主優待を実施している上場企業は、四季報によると1000社を超えるとのことなので、およそ4社に1社の割合だ。

 個別企業ごとに実施状況を見ると、誰もが知っている時価総額上位の大手企業ほど株主優待を実施していないようだ。実際、時価総額日本一のトヨタ自動車は株主優待を実施していない。すでに知名度があるとか、株主数が多く事務作業が大変だとか、前回述べたように株主の機関投資家の反対があるなど、さまざまな事情があるのだろう。

 そんな中で、優待を実施している大手企業は自社サービスの「割引券」を出すところが多い。ソフトバンク(9984)東日本旅客鉄道(9020)東海旅客鉄道(9022)などの割引券が典型例だ。また大手で「自社製品」を出しているところでは、JT(2914)(時価総額約6.8兆円)で自社飲料詰め合わせとなっている。ちょっと変わったところでは、新日鐵住金(5401)の「抽選で鹿島アントラーズ試合観戦招待」というのもある。

JTは株数に応じて1000円相当から6000円相当の自社商品詰め合わせを用意

 さて「株主優待」を活用した銘柄選びだが、「株主優待は必ず使う」というのが大前提だ。「株主優待」という切り口から入っているかぎりは、自社製品でも、食事券でも、割引券でも使わなければ意味がない。となると「よく使っている」、「身近」な製品やサービスを手掛ける企業で、なおかつ「自分が好き」と思う企業がベストだろう。

 つまり、銘柄の選び方は単純に以下の二つのいずれかだ。

・自分が好きな銘柄を探して株主優待の有無を確認する
・巻末の株主優待一覧表から好きな銘柄を選ぶ

JR東海の優待は運賃・料金割引券100株以上1枚(10%割引)から10万株以上500枚まで

 よく使っていて身近な企業で選ぶ場合、その代表例は、好き嫌いは別として、普段の通勤通学で使っている鉄道やバス、出張で使う航空会社などの交通機関だ。さらに「自分が好き」という要素を加えると、食料品や化粧品、百貨店やスーパー、専門店、レストランチェーン、映画館、ネットサービスなど小売業やサービス業が中心になってくる。「よく使っている」、「身近」となると、どうしても消費者目線になるため、製造業でも消費財か、もしくは非製造業が中心になる。

 以前紹介したことのある元全米ナンバーワンのファンドマネージャーの著書『ピーター・リンチの株で勝つ』でも、テンバガー(10倍なる株)を見つける秘訣は、「まず自分の家の近くから始めるべきで、裏庭か、商店街か、職場かである」と指摘している。株主優待も同じで、身近でよく知っている企業がよいのだろう。

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