賞味期限はいつ? 黒田バズーカ2でも株価伸び悩みのワケ

実にビミョーな位置にある「移動平均かい離率」

福永 博之
日銀の追加緩和決定はサプライズとなり日経平均株価は一時1万7000円をつけた(撮影:梅谷秀司)

 サプライズとなった先週の追加金融緩和の発表で、日経平均株は年初来高値を更新すると同時に一時1万7127円まで上昇した。1万7000円台の回復は2007年10月以来と喜びたいところだが、ご承知のとおり、株価はその後伸び悩んでいる。

 株価が急上昇すると、投資家心理としては上がりすぎではないかと警戒したくなるのだが、こうした「感覚的な判断」はその時の気分によっても異なるし、また都合のいいように解釈してしまいがちだ。誰が見ても、どのような状況で見ても客観的になるように判断基準を設けなければならない。

 こんなときによく利用されるのが「移動平均かい離率」である。移動平均かい離率は、どの移動平均線と比較するかによって結果が異なってくるため、選ぶ移動平均線が重要になる。筆者は今回のように急騰したときは25日移動平均線と比較するようにしている。それではいつものようにチャートをご覧いただこう。

 下段の移動平均かい離率チャートをご覧いただきたい。25日移動平均線とのかい離率は、株価が上昇した後、「10%」近くまで接近しているのがわかる。この意味するところは、25日移動平均線を過去25日間の終値の平均価格と考えた場合、その間に株を買って株を保有している人の投資利益率が10%近くまで上昇しているということであり、利益確定売りが出やすい状況にあるといえる。売り方から見れば10%近い損を抱えていることになり、買い戻しが優勢となる水準である。

 つまり、買い方、売り方の損益状況から見た水準である「10%」を客観的な一つの目安とすると、まさに今の水準は株価が上にも下にも変動しづらい状況にあることがわかるのだ。

 さて、今後の動向である。もし、このままの株価が今の水準を維持できれば、しだいに25日移動平均線が上昇してくるため、かい離率は低下し、新規資金が流入するなどで再び上昇基調に戻ると考えられそうだ。逆に株価が下落し5日移動平均線を割り込んでしまうと、今度は売り方の損益が改善し、買い方の損益が悪化する。株価が5日移動平均線を下回り、かつ5日移動平均線が下向きに変化したら要注意である。

 ところで今回の黒田バズーカ2、いつまで効果が続くだろうか。息の長い相場になると言う人もいるが、前回(昨年4月4日)の黒田バズーカ1から5月23日に高値をつけるまでと同じ日数を当てはめると、「33日前後」、具体的には12月中旬(12月18日前後)というのがテクニカル的な答えだ。そうなると消費税の再引き上げや第3の矢になりそうな法人税減税の判断の時期と重なることになるのだが、はたして賞味期限は……。

講師=福永博之/日本勧業角丸証券(現みずほ証券)、楽天経済研究所を経てインベストラストを設立。代表を務める。テクニカルアナリストとしてメディアへの出演、コメントなど多数。

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