米株高が「ショック」癒す、緩和マネーが活動再開

日本株高予想は変わらない?

ロイター
11月18日の市場で日本株とドル/円は反発。米市場で日本発の景気減速懸念が広がらず、米株は最高値圏で堅調に推移し安心感が広がった。写真は17日のNY証券取引所で笑顔のトレーダー(2014年 ロイター/Lucas Jackson)

[東京 18日 ロイター] - 「GDPショック」から1日たった18日の市場で、日本株とドル/円は反発した。米市場で日本発の景気減速懸念が広がらず、米株は最高値圏で堅調に推移し安心感が広がった。

世界経済は良くも悪くもない状態だが、超金融緩和によるカネ余り状態が続き、少しでも環境が落ち着けば、すぐさま投資先を求めてマネーが流入する展開が続いている。

振れの大きい日本市場

日経平均は350円を超える急反発となった。前日は日本の7─9月期の実質国内総生産(GDP)が予想外のマイナス(年率1.6%)と落ち込み、前日に500円を超える今年2番目の下げ幅を記録したが、一転、買い戻しが進んだ。17日に115円台に沈んだドル/円も116円後半までリバウンドした。

急落後の自律反発とも言えるが、前日の米市場で景気減速懸念が広がらなかったことで、投資家センチメントが落ち着きを取り戻したことが大きいようだ。「海外勢を中心とした買い戻しが入った。国内勢は依然として、やや売りが多い」(大手証券の株式トレーダー)という。

豪州や欧州の株式市場序盤には日本のGDPの影響が出たが、米市場に入ると徐々に薄らぎ、米S&P500は小幅高ながら終値で最高値を更新した。ダウもプラスで引けている。「日本のGDPは午前の株価の上値を押さえる要因になったが、昼過ぎには話題から消えていた」(米国在住の国内証券ストラテジスト)という。

良過ぎず悪過ぎない世界経済

市場心理が堅調さを維持している背景の1つは、好調な米経済への信頼感がある。17日には10月鉱工業生産や11月ニューヨーク州製造業業況指数など市場予想を下回る経済指標が発表されたにもかかわらず、米株市場の強気ムードは崩れなかった。「中量級」の経済指標だったこともあるが、原油価格下落のプラス効果などが今後表れてくると期待されているためだ。

一方、欧州や日本、新興国などの経済はさえないが、好調な米経済とのバランスはそれなりに保たれている。原油価格下落も資源国にはマイナスだが、先進国にはプラス材料だ。世界経済全体が良くなり過ぎないことで、先進国の金融緩和が維持され、リスクオンの地合いが続いている。

「フラミンゴ経済とも呼ばれるが、米国経済が崩れない限り、世界経済は底堅く推移し、金融緩和で生み出された緩和マネーが、逆回転を起こすこともなさそうだ」とIG証券・マーケットアナリストの石川順一氏はみる。

前日は、欧州中銀(ECB)のドラギ総裁が、責務の範囲内で「必要なことは何でもやる」とし、追加の非伝統的措置を講じることに前向きだと述べたことも、市場心理の好転につながった。ユーロ/ドルが下落する一方、対ドルで円安が進行。円安再開も日本株のリバウンドを後押ししている。

日本株の強気予想も

想定外の2期連続のマイナスGDPによって、株高シナリオにも狂いが生じ始めているが、アムンディ・ジャパン・投資情報部長の濱崎優氏は、日本株高予想は変わらないと話す。「選挙が盛り上がらず、投票率が下がったとしても、浮動票が減って困るの野党の方だろう。自民党優勢は揺るがない。日本もGDPは悪かったが、消費再増税延期なら景気も持ち直す。世界的なカネ余りが日本株を押し上げる構図が続きそうだ」という。

ただ、微妙なバランスの上にたった世界経済の均衡であり、カネ余り状況が実体経済とかい離することへの警戒感も大きい。「ショック」への耐性は弱くなっており、金融マーケットのボラティリティもしばらくは高くなりそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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