2014年のIPO会社の社長、本当に「ここだけの話」

大化け期待の企業に共通するトップの人物像とは?

角田 佐哉香

 12月は新規株式公開(IPO)ラッシュです。この時期に東証アローズからの中継を担当していると、上場セレモニーの鐘の音を聞かない日はほとんどありません。今年は12月に限らず、1年を通してIPOの多い年でした。その数は昨年に比べて23社増の77社に達しました。

 そんなIPOブームの中、この四季報オンラインの「IPO会社担当」という身に余る任務を仰せつかり、これまで12社のトップにインタビューをしました。(http://shikiho.jp/tk/news/list/ipotopinterview

 足を運んだ会社の事業内容は製造業からインターネットを使ったビジネス、サービス業までさまざま。インタビューを通して感じたのは、「会社の顔」である社長がどのような人柄か、事業に対してどのようなビジョンを持ち、何を大切に経営しているのかといったことが、会社の将来を占ううえで非常に重要だということです。

 12人のトップのうち、特に印象に残ったのが土壌汚染対策工事を手掛けるエンバイオ・ホールディングス (6092)の西村実社長と、建設機械用フィルターのメーカー、ヤマシンフィルタ (6240)の山崎敦彦社長です。両社ともあまり、なじみのない分野でビジネスを展開していますが、両社長は基本的なことから丁寧に教えてくれました。フィルターを手にしながら、その働きを一生懸命に説明する山崎社長の額には汗がにじんでおり、「投資家にわかりやすく、しっかりと伝えなければ……」という上場企業のトップとしての責任感がうかがえました。

角田佐哉香(かくだ・さやか)●和歌山県和歌山市出身、富山テレビ放送アナウンサーを経て、「TBSニュースバード」キャスター。「四季報オンライン」の連載「IPO会社の社長に聞きた~い!」の聞き手・原稿執筆も担当。趣味のフラワーアレンジメントは講師を務めるほどの腕前。一見、クールだが実は情に厚く闘争心も秘めた「カメラ女子(?)」(撮影:田所千代美)

 「最大限、情報を開示する」のが上場した会社の責務。医師向け口コミサイトを運営するメドピア (6095)の石見陽社長は質問に即答せず、「ん~」としばし考え込み、自身が医師でありながら経営者になったことについては「無謀でしたね」と思わず本音を漏らすなど、聞かれた内容を正面から受け止め、率直に答えてくれたのが印象的でした。「たとえ儲けられるサービスでも“医師をサポートするもの”でなければ提供しない」と言い切った姿勢には、強い信念を垣間見る思いがしました。

 もちろん、社長の人柄が「よい業績」や「安定経営」に直結するわけではありません。ただ、その部分が欠けていると、社の内外を問わず多くの信頼を得ることは難しいのではないでしょうか。よい社長はよい社員、よいお客さんに恵まれるケースも多いことでしょう。会社にとって大きな武器になりえると思うのです。

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