ルーブル暴落はウクライナ問題の報復か

仕組まれた!? ロシアたたき

鈴木 雅幸
ルーブル暴落は本当に原油の下落が原因なのか(imasia)

 ロシア中央銀行が16日未明、650bp(ベーシスポイント)の大幅な利上げを敢行した。世界的な原油安を発端にしたルーブル暴落への対抗措置だが、まだルーブル安は収まっていない。プーチン大統領が18日の記者会見で語ったように、単なる金融マーケットの要因だけでは説明できない現象とも考えられる。背景には「欧米VS.ロシア」という地政学的緊張関係が大きく作用しているとみて、不思議はないだろう。

なぜルーブルだけが

 「主に外的要因によって引き起こされた」ーー。

 プーチン大統領はルーブル暴落に伴うロシア経済の危機的状況について、18日の会見でこう答えた。「外的要因」の含意には直接的な意味合いで世界的な原油急落が挙げられるが、間接的には地政学的リスクに伴う“ロシアたたき”の要素が見え隠れする。プーチン流のレトリックとして、この発言を片付けるべきではないだろう。

 ルーブル安は決して今始まった話ではない。国際金融市場では今年初めからルーブル安がじわじわ進んでおり、ロシア中銀はこれまで3、4、7、11月と断続的に利上げを実施してきた。2014年のロシア経済は0.6%成長見通しという新興国の中では際立った国内経済の低迷がベースにあるのは事実だ。しかし、11月下旬から始まった原油価格の急落に伴うルーブル暴落は、「人為的な一面も考えられる」とロシア経済に詳しい西濱徹・第一生命経済研究所主任エコノミストは語る。

 筆者の疑問もそこにある。なぜ、ルーブルだけがこれほどまでに売り込まれるのか?

OPECの思惑

 1ドル30ルーブルから一気に60ルーブル台に暴落した主因はまず、11月27日にウィーンで開かれたOPEC(石油輸出国機構)総会での決定にある。原油価格下落に歯止めをかけるための減産を見送ったのだ。会議は5時間に及び、ベネズエラやイランが求めていた減産を、サウジアラビアなど湾岸諸国が押し切る形で生産枠の据え置きが決定されたという。

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