バイオ分析装置で医薬の研究現場を変える!

プレシジョン・システム・サイエンスの独自技術とその可能性

小長 洋子
 研究開発の先行負担が大きいため赤字続きの会社が多い一方、や製品などが実用化されれば大きな収益も期待できる系ベンチャー。将来の”大化け”銘柄を探す投資家に向け、四季報担当記者がその実態に迫る新連載が、「大化け”創薬ベンチャー”を探せ!」だ。連載第一回目は、独自技術「マグトレーション」を中核に、スイスのロシュ社など世界大手製薬会社も顧客に持つバイオ分析装置開発会社、プレシジョン・システム・サイエンス(7707)を取り上げる。
PSSが初の対外的な新製品発表会に出展した、臨床現場向けの小型測定機

 12月上旬、東京証券会館内の会場では遺伝子分析機器と周辺機器がずらりと並び、開発担当者は群がる関係者から質問攻めにあっていた。ジャスダック市場に上場する、プレシジョン・システム・サイエンス(PSS)の新製品発表会の光景だ。OEM主体で成長してきただけに、対外的な新製品発表会はこれが初めてという。

 PSSは「マグトレーション」技術を中核としたバイオ分析装置の開発会社で1995年に設立。2001年にジャスダック市場に上場した。バイオ系ベンチャーとしては老舗の部類だ。EU34カ国や米国、日本国内メーカーへのOEM供給が主体で、売上高の海外比率は80%に上る。

 顧客にはグローバルトップ企業が連なる。ロシュ(スイス)はメガファーマであると同時に遺伝子診断最大手。アボット(米国)、キアゲン(ドイツ)も遺伝子分析装置で世界トップクラス。エリテック(フランス)は世界的バイオ医薬品メーカーの一つ。国内では三菱ケミカル系の臨床検査・試薬会社、LSIメディエンスが古くからの顧客だ。

マグトレーション技術でバイオ研究を自動化

 マグトレーションとはPSSの田島秀二社長の造語で、Magnetic Filtration(磁石によるふるい分け)の意味。細長い試験管のような容器内で、磁性粉により検体をふるい分けるオリジナル技術だ。目的外の物質が混じり込む「コンタミ」(contamination)が極めて少なく、世界的な特許を持つ。得意とするのはDNA/RNAという遺伝子の分離・抽出だ。増幅、検出、測定用の周辺装置や、試薬を自社の機械専用にプレパックしたカートリッジも提供する。

 今回の新製品発表会の目玉は、エリテック向けの全自動遺伝子解析装置「ジーンリード12」とアボット向け次世代シーケンサーのための全自動前処理装置。いずれも納入先から製薬会社の研究所や大学などの研究機関に出荷される大型機だ。

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PSS (7707)

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