竹本容器・竹本社長「金型投資で当社ほどのリスクを自ら負う容器メーカーはない」

新規公開企業のトップにナマの声を聞く連載第12弾

角田 佐哉香

 「IPO会社の社長に聞きた~い!」。インタビューならびに取材後記の執筆を担当する角田佐哉香です。新年最初の登場は2014年12月17日に東証2部へ上場した竹本容器 (4248)の竹本笑子社長です。

 同社は60年以上前に産声を上げたプラスチック容器メーカーです。化粧品、トイレタリーなど販売先は4700社余りを数えます。竹本笑子社長は同社の三代目経営者。29歳の若さでトップに就任以来、10年にわたって舵取りをしてきました。今回は東京・浅草にほど近い本社にお邪魔しました。

 株価は上場当日に公開価格900円を2%上回る918円で初値がつきました。同日には940円まで上昇する場面もありましたが、買い一巡後は安値851円まで下落。翌日以降は方向感の定まらない展開となり、850~890円台でモミ合っています。14年大納会の終値は887円でした。

 新規株式公開(IPO)に踏み切るまでのここ数年、業績は足踏みぎみ。将来に向けていったい、どのような成長シナリオを描いているのでしょうか。

竹本容器は1953年設立。当時はガラス容器の需要が旺盛で、ガラス容器の販売会社として始動した。63年にプラスチック容器の販売を開始、86年には生産にも乗り出した。13年12月期の販売先数は日本だけでなく、中国、米国など海外も含めて4716社。「化粧・美容」向けが売上高全体の約57%を占める。化学メーカーの日油などが主要顧客。容器は同社経由で無印良品に供給されているという。強みは自社で設計した容器の金型を多く保有すること。14年9月末時点では2657型に達する。

デザインで“主張”しすぎてはいけない

たけもと・えみこ●1998年国際証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社。99年に竹本容器社入社。営業本部副本部長などを経て04年3月取締役、同年12月社長就任。「幼少時に祖父から仕事の話を聞き、社長になりたいと思っていた」(同社長)。

ーー金型を多く保有するメリットを聞かせてください。

 容器メーカーは通常、顧客からの指示や要望で容器の製造のために金型も製作します。その場合、費用は顧客側が負担することが多い。そのうえ、一定程度の時間もかかります。当社が先行投資することで、金型を保有する顧客の負担を軽減するのが一つの狙いです。現在、顧客全体の74%が当社の金型を使っています。残りは顧客からの特注(カスタマイズの注文)や他社からの仕入れです。

 ほかのメーカーにはそうしたリスクを負ってまで投資しているところはないでしょう。自分の知るかぎり、これほど多くの金型を保有しているメーカーはありません。

ーー金型の保有は今後も増やすのでしょうか。

 年間200型以上のペースで増やしたいと考えています。当社としても作りたいデザインのものが多く、顧客側からも新製品への期待が大きい。従来の金型だけでは飽きも出てくるでしょう。

ーー金型以外に、たとえば容器のデザインなどで差別化を図るのは可能なのですか。

 あまり“主張”しすぎてはいけないんです。「この形って資生堂っぽいよね」、あるいは「シャネルっぽいよね」などと何となくイメージがついてしまうと、他社では採用されなくなってしまう。

 デザインはシンプルでも、色を変えたりキャップを変えたりすると会社独自の“個性”が出てくる。化粧品で同じ容器を使っていても、消費者から気づかれないことが肝心。「主張しているようでしすぎない」方針が大事なのです。

記事中の会社を詳しく見る

竹本容器 (4248)

ページトップ