知ってるつもり? 恐怖の落とし穴「キャッシュフロー」

あれから18年、69冊を読破した男の「深イイ話」ー(35)

渡部 清二

 今回は、「会社四季報」2008年4集(夏号)から選んだ、とある銘柄の「バランスシート」と「損益計算書」を載せてみた。

 さてここでいきなり問題です。この銘柄の3カ月後の「株価」を、財務諸表を参考に予想して以下の中から選んでください。なお当時の株価は四季報上で1170円(PBR0.35倍)となっています。

① 3300円(PBR1倍の水準)
② 6600円(PBR2倍の水準)
③ 8300円(予想PER10倍の水準)
④ その他

 「正解者の中から抽選で3名様に豪華プレゼント!」とでも書けば、多くの方に真剣に考えていただけるのだろうが、残念ながら豪華プレゼントは用意できていない。それでも真剣に考えてみるといい頭の体操になるのでぜひやってみてほしい。

 突然そう言われてもわからないという方のために、財務諸表のポイントについて、少し解説を加えたい。

 まず【財務】欄の「総資産」は約2300億円とそこそこの規模だが、株主持分比率(=自己資本比率)は19.3%と低く(つまり負債が多い)、財務面は若干のリスクがありそうだ。ただしレバレッジがかかっている分、【指標】欄にある、現在最も注目されている指標「ROE」はかなり高い水準で25%と収益性は高い。

 また【業績】欄では、予想ベースで売上高1600億円、営業利益240億円程度だが、業績トレンドとしては売り上げ、利益が共に伸びる増収増益基調で、過去5年間で売り上げは2.5倍、営業利益は5倍強と急成長している。営業利益率は15%(現在の平均はおよそ6%)と非常に高く、稼ぐ力も相当強いことがうかがえる。加えて今期純利益予想は最高益を連続して更新する見込みであり、配当も大幅増配の予想になっている。

 以上ポイントをまとめると、自己資本がやや少ないことだけが気になるが、業績面は非常に堅調で、ピカピカの成長株だということはご理解いただけただろう。

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