原油安で笑う会社、泣く企業はどこだ?

決算発表本格化、上振れ下振れが最大焦点に

槙 あやな

 上場企業の2014年第3四半期累計(4~12月)決算発表が本格化。こうした中で原油安の影響を受ける会社が何かと注目されています。

まき・あやな●佐賀県鳥栖市出身。NHK長崎放送局キャスターを務めた後、「TBSニュースバード」キャスター。趣味はランニング。フルマラソン完走の翌日に全身筋肉痛を押してハワイ旅行に出掛けるというバイタリティあふれる女性(撮影:今井康一)

 原油価格は指標となる米国のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が1バレル=45ドル程度まで値下がり。これを受けて、石油元売りと総合商社には計1兆円の損失が発生する見通しだということです。丸紅(8002)は1600億円の減損損失を計上。4月から執行役員以上を対象に報酬の3割カットに踏み切ります。

 一方で、原油下落のメリットを享受している会社も少なくありません。燃料費が安くなることで、海運や空運の業績は上振れが予想されています。そのほかにも製造業、サービス業など幅広い企業の収益を押し上げる要因になる見込みです。実際、ANAホールディングス (9202)の第3四半期累計営業利益は前年同期比約29%増。国内外で旅客が増え、国際貨物も好調で、原油安にも後押しされた形です。

 ただ、原油安メリット銘柄に勝負を賭けてよいのかといえば、「ちょっと待った!!」という状況です。LCC(格安航空会社)の参入で航空業界は混戦状態。たとえば、スカイマーク (9204)は自力での経営再建を断念せざるをえなくなりました。ANAホールディングスもさらなる燃料節約に取り組んでいます。

 燃料使用量はコスト競争力に直結します。つかんだチャンスを確実なものにするための努力は惜しまないといったところでしょうか。

 海運会社にも燃料費負担の軽減はプラスです。もっとも、海外景気の雲行きが怪しい中では、不定期船の市況低迷が長引くなどの不安と隣り合わせなのも事実。ちなみに、原油価格の大幅な変動時に株価の値動きが大きかった業種を調べたところ、下のグラフのような結果になりました。

 原油値下がりの恩恵を受ける企業も決して盤石ではないとなれば、そうした銘柄への投資にも慎重に対処する必要があるのかもしれません。チャンスをつかむには、時に忍耐も必要でしょう。

(毎週金曜日に掲載)

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