期待外れの1月米小売売上高、消費は強いの? 弱いの?

米景気動向把握に役立つ大事な指標

岡田 晃
米国の1月小売売上高は前月比0.8%減と市場予想よりも落ち込み幅が拡大

 米商務省がこのほど発表した1月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.8%減と、期待を裏切る結果になりました。市場予想の中心は前月比0.4%程度の減少だったので、ある程度の減少は予想されていましたが、それを大幅に超えるマイナスとなってしまいました。これで昨年12月の0.9%減に続いて、2カ月連続の減少です。米国の景気は堅調な動きが続いており、最近発表された消費関連の指標でも強い数字が出ていたので、これはやや意外でした。

 小売売上高は全米の小売り・飲食サービス業約5000社を対象に、商務省が月間売上高を集計し翌月の中旬に発表している統計です。個人消費の動向を表す統計では最も注目度の高い指標といえます。米国は個人消費が国内総生産(GDP)の約7割を占めているので、米国の景気動向全体を把握するうえでも重要な指標となっているのです。

 それだけに今回の結果を見て、米国の消費が落ち込んだのではないか、と景気の先行きを心配する声が一部で出ています。しかし、実は中身をよく分析すると、見かけほど悪くはありません。そのように判断できる理由は、原油安の影響で売上高減が消費実態以上に大きくなったとみられることです。

 1月の小売売上高の内訳を見ると、ガソリンステーションが前月比9.3%も減少しています。米国のガソリン価格は1月のうちに約11%下落しているので、売上高の大幅減少も当然の結果です。これが小売売上高全体を大きく押し下げる形となりました。しかし、ガソリンステーションを除く小売売上高では前月比0.03%増と、わずかながらプラスでした。つまり消費の実態としては決して落ち込んだわけではないということです。

 実際、最近の他の消費関連指標を見ると、消費意欲は依然として強いことがわかります。消費マインドを表す消費者信頼感指数は1月に前月比9.8ポイントも上昇して102.9となりました。これは7年半ぶり、つまりサブプライム危機以前の高水準です。ガソリン代が安くなったことで、消費者の家計に余裕が出ていることから、マインドが明るくなっていることがうかがえます。こうして総合的に見れば、米国の消費は依然として好調さを持続していると判断できるでしょう。

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