アナリストに聞く! 海外投資家が注目するモバイルゲームの今後(上)

どうなる任天堂、そしてミクシィ

島 大輔
モンスターストライクによるミクシィの「躍進」はどこまで続くのか
日本のモバイルゲーム業界に特化し、海外のヘッジファンドやプライベートエクイティファンド、投資銀行などの機関投資家に投資情報提供やコンサルティングを行っている、カンタンゲームス。同社の創業者でモバイルゲーム産業のアナリストでもあるのが、ドイツ出身で日本在住歴10年のセルカン・トト氏だ。そのセルカン・トト氏に、任天堂の不振の要因から、ミクシィが今春リリースする注目の新作ゲームの感想など、日本のゲーム業界を取り巻く現状について話を聞いた。

ーー最近の日本のゲーム業界の動向について、海外投資家の一番の関心は何でしょうか?

 われわれの顧客である海外投資家の多くは、カプコン(9697)セガサミーホールディングス(6460)コナミ(9766)といった従来型の大手ゲーム企業にはそれほど関心を持っていない。もちろん、任天堂(7974)は例外だ。彼らの一番の関心は任天堂がスマートフォン向けモバイルゲームに参入するかどうかで、それを待ち望んでいる。

 そして、モバイルゲーム関連ではコロプラ(3668)ミクシィ(2121)サイバーエージェント(4751)ディー・エヌ・エー(2432)グリー(3632)ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)といった大手が注目されている。また、小型企業というよりは中堅クラス以上の銘柄への関心も高い。たとえば、ドリコム(3793)クルーズ(2138)KLab(3656)といった銘柄だ。ただ、これらの中堅銘柄には投機的な面もある。

ーー任天堂はスマホ向けモバイルゲームに参入するのでしょうか?

セルカン・トト●日本のゲーム産業についてのコンサルティングを行うカンタンゲームスCEO(撮影:梅谷秀司)

 私自身は任天堂が通常の「モバイルゲーム」に近く参入するとは考えていない。岩田聡社長は「スマートデバイスは活用するが、スマホ向けゲームに参入するつもりはない」と否定している。ご存じのように、モバイルゲーム市場は特種な市場だ。いつか任天堂が参入する可能性はあるかもしれないが、それはすぐではないだろう。ただ、私の顧客の多くは、「なぜやらないんだ。マリオ、ポケモン、ゼルダをスマホでプレーしたい」と言っている。

ーーモバイルゲームに参入せずに、任天堂は再び高成長軌道に戻ることができるのでしょうか?

 すぐには難しいだろう。現在、任天堂にはWiiUと3DSという二つの主力ゲーム機器がある。私はWiiUはもちろん、3DSもすべてのモデルを持っている任天堂の大ファンだ。しかし、WiiUは日本でさえ売れていない。また、3DSについては、現行モデルであっても画面に課題があると思う。ソニーのプレイステーションVitaやiPhoneと比べても解像度が低いと感じる。

任天堂の岩田聡社長(撮影:梅谷秀司)

ーー任天堂復活のために必要なことは何だと考えていますか?

  イノベーションのあるまったく新しいゲーム機器が必要だろう。今の状態で新しいマリオ、あるいは新しいポケモンとも言えるすばらしいゲームをリリースしたとしても、ハードウエアビジネスの問題は解決されない。一方、任天堂は睡眠、フィットネスなど健康関連事業に展開しようと計画している。しかし、私は少し懐疑的に見ている。なぜなら任天堂はゲーム業界で圧倒的な力を持っているが、健康関連事業については未知数でリスクもあるからだ。だからこそ、新しいゲーム機器が必要だと思う。

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