地価上昇を先取りするオフィス市況の回復

空室率は低下し、賃料は上昇

岡田 晃
オフィス市況回復は「始まったばかり」の段階だが…(撮影:尾形文繁)

 日経平均株価が1万9000円台を回復し、景気回復とデフレ脱却への期待が高まっていますが、株価の後を追いかけるように不動産市況も回復が始まっています。

 不動産市況の動向をいち早く敏感に表すのが、オフィスの空室率です。オフィス仲介大手の三鬼商事がこのほど発表した2月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は前月末比0.05ポイント低下して5.31%と2009年1月以来、6年1カ月ぶりの低水準になりました。これで20カ月連続の低下です。

 都心5区の空室率は、07年ごろに2%台で推移していましたが、08年のリーマンショック後は急上昇し、12年6月には9.43%まで上昇しました。しかし、その後は緩やかに低下し始め、アベノミクスが動き出した13年からは着実に低下が続いています。

 この背景はもちろん景気の回復です。企業の業績が上向いていることから、オフィス拡張の動きが活発化しており、同じビルの中での増床や別のビルへの移転が増えています。都心部では新しい大規模オフィスビルが続々と完成。それは空室率を上げる要因なのですが、既存ビルの空室が減っているため、空室率全体では低下が続いています。企業のオフィス需要は旺盛で、報道によると「今後のビル内での増床を見越して、新規のテナント募集を停止、中断するビルも出ている」そうです。

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