「ピケティ理論」炸裂下で狙い目のバイオベンチャー株は?

資本収益率(r)はこうして高めよう

日本で巻き起こった「トマ・ピケティ」ブーム(撮影:尾形文繁)

 日本に「トマ・ピケティ」ブームが沸き起こった。フランス人経済学者のピケティ氏が著わした「21世紀の資本」は、米国に続いて日本でもベストセラーになった。来日した際には雑誌やテレビなどに引っ張りだこの超人気ぶり。経済誌はそろって対談などの特集を組み、ピケティが出ていない雑誌を探すほうが難しい状況だった。

 筆者も遅ればせながら1冊買い求めた。値段は一般の書籍としては5500円とかなり高価であるにもかかわらず、店頭で飛ぶように売れていた。意外と読みやすいが、それでも読破するにはなかなか骨の折れる本である。日本では「21世紀の資本」に関する入門書や要約本、さらに批判書なども数多く出版された。しかし、信頼できる書評によるとやはり、彼の考えがより忠実につづられているようだ。

 買い求めた日本語訳の書籍には白い帯がかけられている。この帯には「r>g」と大きく書かれており、副題として“資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す”とある。なんとも意味深な言葉だ。

 現在、同氏の提唱した「r>g」という数式をめぐって、世界中の学者や文化人が侃々諤々(かんかんがくがく)の論争を繰り広げている。「r>g」は株や不動産、債券などへの投資による資本収益率(r)が経済成長率(g)を常に上回るというもの。ピケティ氏曰く、「同式が成り立つ背景はよくわからない」。

 来日時の東京大学での講義でも同様の発言をした。「r>g」が進展すると所得格差が一段と拡大する、というのが、「21世紀の資本」のテーマである。これは、資本を保有するか否かで貧富の格差が決定的になるということだろう。

 そのうえで同氏は、格差が産んだ不平等を是正するために、「おカネを貸せる人々は、貸すよりも課税されるべき」との論理を展開。資本に対する累進課税なども提唱する。だが、こうした施策の具体化に向けたハードルは高いと言わざるをえない。万人が納得する「富の分配」が行われるのは、かなり先の話になりそうだ。

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